研究課題/領域番号 |
17401017
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平川 新 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90142900)
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研究分担者 |
寺山 恭輔 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00284563)
畠山 禎 東北大学, 東北アジア研究センター, 教育研究支援者 (60400438)
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キーワード | 日ロ関係 / ラックスマン / シャバリン / アンチーピン / ロシア帝国 / 開国以前 / 千島列島 |
研究概要 |
本年度は、寺山恭輔編「東北アジア研究センターシンポジウム:開国以前の日露関係』(東北アジア研究シリーズ第7号)を刊行した。同報告書は、「日露間の対外政策・交渉史ならびに両国の狭間にあって展開した地域社会秩序を考える上でのヒントが満載された論集形式の報告書であり、一読をお勧めしたい一冊である」(『北海道・東北史研究』第3号、2006年の書評)、と好意的な評価を得た。 ロシア語史料の翻訳・編集にかんしては、平川新監修、寺山恭輔・畠山禎・小野寺歌子・藤原潤子編訳『ロシア史料にみる18〜19世紀初頭の日露交流』第2集(東北アジア研究叢書第26号)を出版した(2007年3月)。2004年に刊行した第1集の続編にあたる本史料集は、1764年から1795年までの史料を収録している。その内容は、ロシア帝国とその民間商人による北太平洋地域や千島列島への進出、北太平洋地域や千島列島の自然史、原住民にかんする民族学的記述、アンチーピンやシャバリンによる千島・北海道探検と日本人との接触、第1回遣日使節ラックスマンなど多岐にわたり、東北アジア地域にかんする学際的研究の前進に大きく寄与するものである。なお、ゲッチンケン大学アッシュ・コレクション、九州大学、早稲田大学の協力を得て、史料と関係する図版史料をあわせて収録した。 さらに、18世紀初頭から1760年頃までを扱う『ロシア史料にみる18〜19世紀初頭の日露交流』第3集についても、2008年度中の出版をめざして翻訳・編集作業を進めた。海外共同研究者のアレクセイ・キリチェンコは、ロシア国立古文書文書館所蔵でアンチーピン、シャバリン関係史料を、ロシア帝国外交文書館でレザーノブ関係史料を収集した。すでに、日露関係史研究において新たな知見を与える史料が発見されており、来年度以降、調査を継続することでさらなる成果が期待される。
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