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2006 年度 実績報告書

19世紀ミャンマーにおける一元的資源管理国家の成立過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17401022
研究機関愛知大学

研究代表者

伊東 利勝  愛知大学, 文学部, 教授 (60148228)

研究分担者 渡邊 佳成  岡山大学, 文学部, 助教授 (80210962)
岩城 高広  千葉大学, 文学部, 助教授 (90312925)
キーワードミャンマー / 前近代社会 / 領主権 / 中央集権体制 / タッタメーダ税 / 国際情報交換
研究概要

本年度は、1852年の英緬戦争によって南部ミャンマーを失ったマンダレー王朝によって導入・施行されたタッタメーダ新税の法制史的検討とその村落行政機構への影響について,主としてその史料に関する調査・研究を行った。
まずタッタメーダ税について,地方の町村での徴収実態を明らかにするため,ミャンマー国ヤンゴン市にある仏教振興局研究図書館に保存されているザガイン地方におけるタッタメーダ税関係文書の調査を,平成18年7月および平成19年3月と二回にわけて行った。その結果,村ごと,個人ごとの徴収リストの一部を収集することができ,実際の徴収様式を解明することが可能となった。またこれと同時期に,ミャンマー各地の僧院を訪れ,所蔵されているパラバイ文書にある本件関係史料の収集も行った。
またこの新税制に関するイギリス植民地政府による記録を,ロンドンにある大英図書館が所蔵するIndia Office Recordsの中から検索する試みを,平成18年9月に行った。マンダレー政権の動向がうかがい知れる,イギリス駐在官の残したマンダレー日記や,1875-1899年のビルマ政庁内務省報告書(Home Proceedings)をマイクロフイルムの形で入手した。
さらに本件の最終目的である,地方社会の支配構造変化を地方首長権の変容を中心に考察するため,平成18年11月18日に,メンバー以外のミャンマー研究者を招聘して,エーヤーワディー流域地方の支配体制の変容に関する研究会を開催した。
以上の結果,タッタメーダ税制はかなり形骸化したものであったこと,そしてイギリス植民地政府は王朝時代における村落支配者を急激に改廃するのではなく,できるだけ穏便に改変していったことがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 19世紀末イギリス側文書に見るビルマ人地方有力者と植民地権力-シュエーボー県におけるボー・ビン、マウン・トゥン父子の事例-2007

    • 著者名/発表者名
      岩崎高広
    • 雑誌名

      社会的結合についてのアジア比較的研究-文化摩擦の歴史構造的要因-(安田浩編) 印刷中

  • [雑誌論文] Preparation and Cataloging of Old Myanmar Manuscripts2006

    • 著者名/発表者名
      ITO, Toshikatsu
    • 雑誌名

      Enriching the Past(Tokyo University of Foreign Studies)

      ページ: 163-183

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 「カレン」の発見-西洋人によるコンバウン朝ミャンマーのカレン像-(2)2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤利勝
    • 雑誌名

      文学論叢(愛知大学) 134輯

      ページ: 23-48

  • [雑誌論文] エーヤーワディー流域の古代都市2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤利勝
    • 雑誌名

      東南アジア考古学会研究報告 4号

      ページ: 11-26

  • [雑誌論文] Karens and the Kon-baung Polity in Myanmar2006

    • 著者名/発表者名
      ITO, Toshikatsu
    • 雑誌名

      ACTA ASLATICA(The Toho Gakkai) 92

      ページ: 89-108

  • [雑誌論文] マンダレー周辺の中国寺院について--18-19世紀ビルマにおける華僑社会の成立に関する予備的考察2006

    • 著者名/発表者名
      渡辺佳成
    • 雑誌名

      ビルマ地誌フォーラム-企画・調査・試験的公開-(澤田英夫編)

      ページ: 81-102

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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