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2007 年度 実績報告書

19世紀ミャンマーにおける一元的資源管理国家の成立過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17401022
研究機関愛知大学

研究代表者

伊東 利勝  愛知大学, 文学部, 教授 (60148228)

研究分担者 渡邊 佳成  岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (80210962)
岩城 高広  千葉大学, 文学部, 准教授 (90312925)
キーワードミャンマー / 前近代社会 / 領主権 / 中央集権体制 / タッタメーダ税 / アフムダーン制 / 植民地支配 / 国際情報交換
研究概要

本年度は,まずタッタメーダ税の導入に対する地方支配者による抵抗の様相を明らかにするため,2007年7月22日から同26日にかけて,ヤンゴンの仏教振興図書館やメイティーラーの僧院等に所蔵されている地方文書の調査を行った。その結果,タッタメーダ税制は,地方アフムダーン(主として騎馬隊,銃兵隊)への例外措置を拡大したことや地租の導入に必要な各種データの不備により,当初の目的を達成できなかったことが明らかとなった。
次いでイギリス政庁が導入した地方行政組織や租税徴収制度の実態を明らかにするため,2007年9月18日から同30日にかけてロンドンの大英図書館で,主としてシュエボー県の事例に絞って調査した。これにより,王朝時代末期の政策は植民地政策と同質のものであったことが確認された。
そして2007年11月17日,愛知大学豊橋校舎にて,報告書作成の打ち合わせを兼ねて,斉藤照子氏(東京外国語大学)および水野明日香氏(亜細亜大学)を招いて研究会を行なった。この中で,やはりアフムダーン制と税制の関係が,コンバウン朝後期の資源管理方式を理解するうえで,重要なポイントとなることが確認された。
そこで2008年2月13日から同26日にかけて,ヤンゴン,マンダレー,メイティーラー等で,主としてアフムダーン関係の史料調査に従事した。これによって,従来タッタメーダ税制以前,アフムダーンは非課税であったという見解は誤りであるという結論を導くにいたった。
こうしてミャンマーにおける一元的資源管理体制は,すでにコンバウン王朝中期(18世紀末)からその動きが認められ,ミンドン王によるタッタメーダ税制の導入により加速されるが,アフムダーン制を解体することができず,未完成に終わる。そして,この制度がイギリス植民地政庁によって廃止されたことにより,一元的資源管理体制は確立されたということが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 海域アジア史のための東アジア文献史料2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺 佳成
    • 雑誌名

      『海域アジア史研究入門』(岩波書店)

      ページ: 223-231

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] マンダレー王朝によるタッタメーダ税制の導入とアフムダーン-上ビルマ・シュエボー地方の事例を中心に-2008

    • 著者名/発表者名
      伊東 利勝
    • 雑誌名

      『19世紀ミャンマーにおける一元的資源管理国家の成立過程に関する研究』(愛知大学)

      ページ: 1-44

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ヴィレッヂ・システムと地方社会・地方支配者-「上ビルマ村落規定(1887年)」施行前後の諸議論を中心にして-2008

    • 著者名/発表者名
      岩城 高広
    • 雑誌名

      『19世紀ミャンマーにおける一元的資源管理国家の成立過程に関する研究』(愛知大学)

      ページ: 55-74

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [備考]

    • URL

      http://taweb.aichi-u.acjp/DMSEH/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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