研究分担者 |
千田 稔 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20079403)
森 洋久 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (10282625)
黄 暁芬 東亜大学, 人間科学部, 客員教授 (20330722)
酒井 英男 富山大学, 理学部, 教授 (30134993)
津村 宏臣 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (40376934)
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研究概要 |
高精度GPSによる測量調査西漢皇帝陵のうち,長安城東南にある文帝覇陵(第3代皇帝,紀元前157年没)と宣帝杜陵(第7代皇帝,紀元前49年没)について,主要点皇帝陵・皇后陵の中心,墳丘裾4隅,墳丘上面4隅の高精度測量を実施し,モバイルGPSを用いて墳丘測量図(Digital Elevation Model)を作成するためのデータを取得した。 以上に加えて,長安城東方の昌陵(第9代皇帝成帝が建設したが,使用しなかった陵墓),長安城北方の甘泉宮(農耕民と遊牧民の境界地帯に設置した離宮)に近接する雲陵(甘泉宮に住み武帝から死を賜った鉤戈夫人の墓,息子が紀元前87年に成帝として即位すると皇太后陵として整備した),咸陽原の周陵(周王朝の文王・武王墓とする伝説があるが漢墓の可能性をもつもの),閻良区の初代高祖(劉邦)の父(劉瑞)の墓である太上皇陵にろいて高精度測量調査を実施した。 GIS分析測重調査のデータを基にして,各皇帝陵およびその関連陵墓について,墳丘の形・規模・方位の精密な数値を計算するとともに,配置図(Excel図)墳丘測量図(Digital Elevation Model)を作成した。これらは研究の最も基礎的なデータになるものである。これによって墳丘を地形に合わせて配置するものと,真北万位に配置するものがあり,西漢末期に真北方位の皇帝陵が主流になることなどが判明した。次いで西漢皇帝陵とその首都である漢長安城を含む関中平野全体の地形図(Digital Elevation Model)上に,すべての測量データを表示して,その相互の位置関係・配置計画についての空間分析を実施した。その成果は多岐にわたるが,漢中平野を真南北に貫く都市計画ラインを基にして,皇帝陵・長安城が配置されていること,皇帝陵は長安城未央宮からの眺望を重視して配置したことほかが明らかになった。
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