研究課題/領域番号 |
17401034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 (2007) 千葉大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
鈴木 紀 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (40282438)
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研究分担者 |
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30142764)
角田 宇子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (20296396)
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (60319994)
関根 久雄 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (60283462)
橋本 和也 京都文教大学, 人間学部, 教授 (90237933)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍 / 文化人類学 / 開発援助 / 評価 / NGO / 国際協力機構 |
研究概要 |
本研究は開発援助プロジ手クトの質的向上に寄与する人類学、すなわち開発人類学の研である。研究目標は、(1)開発援助問題を個別に研究してきた文化人類学者を共通の研究枠組みに統合しプロジェクト評価のための「文化人類学的視点」について合意をつくること、(2)開発援助の実務において活用されているプロジェクト評価方法を建設的に批判し、その問題点の把握と解決策や代替案を提示することにあった。 (1)開発援助プロジェクトを評価する際に文化人類学的視点として特徴的なのは、1)ホーリステックな発想(さまざまな理論、方法論を用いて、多元的な理解を試みること)、2)方法論としてのフィールドワーク(調査対象の人々と研究者の間で信頼関係を構築し、その関係にもとづいて相互の情報共有をはかる)、3)研究テーマ1=開発援助プロジェクトの受益者側リーダーシップ構築過程の検証、4)研究テーマ2=ドナー(援助提供者)と受益者間関係を媒介するミドルマンの役割、5)ドナーの情報ニーズの理解の5点にあるという見解を得た。 (2)開発援助プロジェクトの一般的な評価手法であるPCM手法、およびその核となるログフレームを批判的に検討し、これらの手法ではプロジェクトとプロジェクト外部の事象を関連させる視点が弱いこと、および、ターゲット・グループに対する質的理解が不十分になりがちな点が明らかになった。評価手法に関する解決策や代替案は、本研究に参加した研究者が個別に指摘している。それらは、農村開発の経験から実効力のある教訓を抽出する方法、二次的な評価(評価の評価)への批判的視点、灌概水利組合の機能を評価する手法、終了時評価報告書の記述の改善方法、現地の文化を反映させた評価項目の提案、住民による開発プロジェクトの記憶から得られる教訓などを含む。
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