研究課題/領域番号 |
17401035
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
落合 一泰 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50212337)
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研究分担者 |
鈴木 紀 千葉大学, 文学部, 助教授 (40282438)
青木 利夫 広島大学, 大学院総合科学研究科, 助教授 (40304365)
関 啓子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (20107155)
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キーワード | メキシコ / 文化人類学 / 非西洋圏近代国家 / 独立記念日 / 文化的自画像 / 国家文化形成 / 生涯学習 / 首都と地方 |
研究概要 |
18年度は、非西洋圏近代社会における20世紀経験という視点から問題意識の共通化を図ることを、当研究組織の目的とした。 落合は、20世紀のメキシコ国民意識形成における独立記念日と革命記念日の関係について、メキシコシティでインタビュー調査と資料収集を行うとともに、平成19年度にメキシコシティで開催予定のワークショップにっいて、メキシコ側研究者と意見交換を行った。 鈴木は、ユカタン州メリダ市において独立記念日諸行事の参与観察を行うとともに、1910年代以降のユカタン州新聞諸資料を分析した。その結果、市民的愛国心が称揚される独立記念日においても、文化共同体としてのユカタン愛郷心が多様な形で再構成されていくことを発見した。 青木は、ハリスコ州歴史文書館において、ディアス政権期(1877〜1910)の史資料研究を行い、権限拡大を目指した連邦政府の教育改革を、地方政府が地域的要求を伝える回路として利用し地方の独自性強化に結びつけた過程を明らかにした。 関は、比較教育学的視点から、メキシコシティとチリの首都サンティアゴの小中学校において、独立記念日教育プログラムの実態調査と比較調査を行った。その結果、チリでは国民文化祭的側面が強調されるのに対し、メキシコでは歴史の政治的資産化と運用が圧倒的な規模で行われていることが確認された。 関のチリ調査には武田優子が補助者として同行した。チリ調査後、武田はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにおいて現代政治思想史の観点から同国独立百年祭(1910)について資料収集を行った。 本研究組織は、平成19年3月30日に全体会議を招集し、各自が研究成果を当研究組織に還元集約した結果、「首都と地方の関係性としての独立記念日」を今後の共通の着眼点とすることになった。この視点を基盤に、平成19年度研究計画とメキシコシティでのワークショップでの発表テーマを検討した。
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