研究課題
三年度目である本年度は、過去二年の調査研究の成果を踏まえた上で、境界を越える人的移動に伴って起こるモノと情報の流れについて、各分担者が人類学的フィールドワークおよび文献調査を行った。春日はフィジーにおけるエスニシティ・ナショナリティの境界領域としての老人ホームの調査、中川(敏)はインドネシア・フローレス島における町と村の境界についての調査、栗本は南部スーダンにおける境界を越えた人とモノの移動についての調査、石川はアメリカ合衆国において国境研究に関する文献調査、花渕はフランス・マルセイユにおけるコモロ系移民の個と共同体についての調査、松川はアラブ首長国連邦・ドバイにおけるインド・ゴア人出稼ぎ者と個人間ネットワークについての調査、中川(理)はフランス南部の相互扶助アソシエーションにおける民族境界を越える交換についての調査、をそれぞれ実施した。研究代表者の小泉は、調査全体のコーディネーションと総括を担当した。各分担者はフィールド調査を通して得たデータに基づき、それぞれの事例において(1)国家間(2)民族間(3)都市(4)モダニティといった境界が果たしている役割を詳細に検討した。この個別的検討は、各事例間の比較によって境界の持つ一般的特性を明らかにするという、来年度に実施を予定している本研究の最終段階を可能にするための前段階作業をなしている。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) 図書 (13件)
『学術の動向』(小泉潤二・藤田昌久)
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