研究課題/領域番号 |
17401041
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
田村 克己 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (40094156)
|
研究分担者 |
松園 万亀雄 国立民族学博物館, 館長 (00061408)
關 雄二 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (50163093)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (60214772)
|
キーワード | 文化人類学 / 開発援助 / 国際協力 / 開発援助機関 / 国際貢献 / 国際貢献 / NGO |
研究概要 |
平成20年度は、海外調査を実施するとともに、これまでの成果のとりまとめと成果を公開するために一般公開のシンポジウムを開催した。(1)田村克己は、2009年3月15日から3月22日までベトナムのホーチミン市においてJICA南部事務所や人材センターなどで開発援助に関する聞き取り調査とニャチャンにおいて文化遺産の保存についての調査を実施した。(2)松園万亀雄は、2008年8月11日から8月25日までケニアにおいてケニア医学研究所、JICAケニア事務所、日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター、キシイ町において援助活動に関する調査を実施した。また、研究協力者の石田慎一郎は、2008年7月28日から8月28目までケニア・ナイロビ市、メル町、マウア町、キシイ町において開発援助機関およびその活動についての調査を実施した。(3)關雄二は、2009年2月21日から3月7日までユネスコが認定した世界文化遺産であるペルー国ワラス県チャビン・デ・ワンタル遺跡の社会的活用について、遺跡周辺の住民や地方自治体に対して聞き取り調査を行い、遺跡を管轄するペルー国文化庁が進める文化政策の整合性や軋轢について考察した。(4)岸上伸啓はこれまで収集してきたデータを分析し、各国援助機関による援助活動における文化人類学の役割について研究を進めた。(5)2009年3月8日に国立民族学博物館において日本文化人類学会と共催でこれまでの研究成果を報告し、今後の実践人類学的研究を考える目的で「人類学の挑戦-これまでとこれから」を開催した。(6)これらの調査や分析、シンポジウムを通して、日本の場合とは異なり、海外の開発援助機関は文化人類学や文化人類学者を援助プロジェクトのための事前調査や立案、評価において活用していることが判明した。日本の文化人類学者が開発援助などの実践にいかに参与していくことができるかは今後の大きな課題である。
|