研究課題/領域番号 |
17402002
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
中山 徹 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (60222171)
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研究分担者 |
大石 正 奈良佐保短期大学, 教授 (30112098)
宮城 俊作 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (60209872)
中林 浩 平安女学院大学, 生活環境学部, 教授 (80180347)
宮川 智子 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30351240)
前田 真子 広島工業大学, 環境学部, 講師 (80346303)
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キーワード | 自然環境の再生 / 跡地利用 / 地域の再生 / 英国 / コミュニティフォレスト / マージーフォレスト |
研究概要 |
1.イギリスの緑地再生の試み、イギリス社会においてパートナーシップ型都市再生のあり方をコミュニティフォレストの事例を中心に考察してきた。採炭地・工場跡地で始まった事例は、地域再生の原動力となるが、コミュニティが主体的に組み立てる環境改善事業のなかで展開する、青少年の参加・学校での環境教育の展開・地場産業の育成・企業の環境保全への努力であることを証明した。 2.イギリスでは、産業革命以後に起きた土地利用の急激な変化により生じたブラウンフィールドが多く、未開発地の保全にも向けた再生が、コミュニティ・フォレスト事業による森林整備・保全を通じて行われている。中でもブラウンフィールドを多く保有する地域であるマージー・フォレストでは、環境面の向上のみでなく、経済面や観光面を含む幅広い観点からの森林の多機能性に着目し、様々な役割があることを評価し、基盤整備の一つとして捉えた計画が進められている。 3.セント・ヘレンズ区では、低・未利用地の環境再生により良好な環境において再開発を行うことが可能となることから、経済面にもメリットがあると捉えて景観計画を推進している。その背景として、開発事業の半数、事業・工業用地の8割が良好な環境に立地していることが景観計画から明らかとなった。景観面では、主要道路付近にある農用地や低・未利用地の再生により新たに創出された公共緑地が見られ、まちの玄関口や見通しの良い立地にあることから、それらが地区を特徴づけていることが判明した。 4.フォレスト・パークの事例からは、既存の林地の2倍以上に植林を増やし、連続した林地を形成すべく地域の3割近くを林地にする計画・予定が提案され、新たな植林の促進が主な取り組みであることがわかった。既に整備された場所についても新たな植林による更なる環境向上が計画されていることから、環境再生には時間と労力を要することを提示しているといえる。
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