研究概要 |
拡大EUの境界線をめぐる民族・地域格差とヨーロッパの安全保障(アメリカの影響) 1)2007年度研究計画 このテーマに関する研究3年目は、4月から青山学院大学に移籍したこともあり、ヨーロパ研究所の活動はなくたが、1つには、法政大学の大型科研で、境界線を巡る民族・マイノリティ研究に加わったことと、2つには、ジャン・モネ・チェア(欧州委員会)の活動が継続したこと、第3に、2008年度に向けて、拡大EUと東アジアの比較研究が始まったこともあり、インテンシヴに研究を進めた。 2)研究の進展・研究成果とCOE 次頁の成果にもあるように、2007年度は主に、この3年間の研究成果を、国内・国際学会、および国際的COE(Padua大学のEU-COE、京都大学のCOE、一橋大学COE)で纏めることとなった。Padua大学では、「文化間対話と市民」と言う総合テーマの中で、拡大EUの民族・ナショナリズム・市民意識を検討した。また京都大学COEでは,「ワイダー・ヨーロッパ」という、拡大EUの境界線を越えた広義の地域協力の中で、いかなる経済的・政治的・機構的関係が構築できるのかを、グローバル化とアメリカの影響の中てせ検討した。さらに一橋大学の3年間のCOE・EUIJの成果として、『衝突と和解のヨーロッパ』・『フロンティアノヨーロッパ』の境界線の拡大と民族の問題を、歴史的な広義のスパンデ検討し、その東西の意識格差、地域格差、さらに「境界線」認識の差異につにて論じ、それが翻って中・東欧に安全保障上、アメリカの影響を呼び込まざる得ないことを証明した。この3年間の研究で、拡大EUを巡る境界線の問題について、かなり検討を進めることができた。 3)研究史料と海外調査 資料的には、ブリュッセル(欧州委員会、ECSA-World、ベルリン(ICCEES国際会議)、フィレンツェ(欧州大学研究所)などで、必要資料を閲覧する機会を得た。2008年は、1ヶ月ほど欧州大学研究所の研究員として研究することも準備しており、この研究の科研費は2007年度で終了するが、さらに境界線とマイノリティの問題は継続的に検討していく予定である。
|