研究課題/領域番号 |
17402025
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
薛 進軍 大分大学, 経済学部, 教授 (40262399)
|
研究分担者 |
丸山 武志 大分大学, 経済学部, 教授 (20136774)
下田 憲雄 大分大学, 経済学部, 教授 (60187482)
高見 博之 大分大学, 経済学部, 教授 (10264326)
DAY Stephen 大分大学, 経済学部, 助教授 (60404357)
瀧 敦弘 広島大学, 経済学部, 教授 (40216809)
|
キーワード | 所得格差 / 不平等 / 中国経済 / 深〓 / ジニ係数 / タイル指数 / 教育格差 / クズネッツ曲線 |
研究概要 |
1.調査の実施:2006年3月、深〓大学関係者の強力的な協力にて2005年9月から2006年3月まで経済特区であり、所得が一番高く、出稼ぎ者の一番多い都市深〓市を対象とし出稼ぎ世帯を含む1056世帯(3262人)の家計調査を実施した。中でも初めて高収入世帯の家計調査が出来た。 2.データの処理:5月から今まで、家計調査データの整理を続けている。 3.ワークショップの開催:6月に中国、ドイツ、日本からの研究メーバーを集め国際ワークショップを開催して調査の経緯、データの処理に関する問題を説明・議論した。 4.研究会の開催:数回の研究会の開催し調査の主な結果を報告した。 5.専門家に意見を聞く。18年12月から19年4月、研究代表の薛進軍教授は深〓大学(12月16日)、北京大学中国経済研究センター(4月27日)中国社会科学院人口・労働研究所(4月26日)で申請調査の主な結果を報告し多くの専門家から意見、コメントを教えてきた。 今までの分析は以下の結論が出ている。 (1)深セン市のジニ係数は0.589に達し所得分配は著しい不平等。 (2)タイル指数の分解分析によると戸籍制度は都市世帯と出稼ぎ世帯の所得格差の要因のひとつであることが明らかにした。 (3)40-45才の年齢層はジニ係数が0.72になり、40代の間の所得格差は一番大きいことが分かった。 (4)大学以上の教育を受けた人は学歴の低いものより所得が断然高いので教育格差は所得格差の主な原因と考えられる。また、大学卒業者の中では所得格差が激しい。 (5)産業別では製造業の所得格差が大きい。 (6)所有権別で私営企業の所得格差は大きい。 (7)世銀スタッフの中国全国ジニ係数の推計値によれば、中国の格差はまだピックになっていないのでこれからも拡大しテクと予想される。 (8)深セン市は中国の社会、政治、治安問題の多い都市として悪評されている。所得不平等はその原因の一つと考えられる。
|