研究課題/領域番号 |
17402028
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研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
田中 道雄 大阪学院大学, 流通科学部, 教授 (10248263)
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研究分担者 |
栗田 真樹 流通科学大学, サービス産業学部, 助教授 (10258262)
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キーワード | 中国 / 国際情報交換 / 伝統保存型開発 / 什刹海 / 宣武区大柵欄 / 王府 / 観光スポット / 開発の対比 |
研究概要 |
本年度は研究の初年度として、主として中国現地の実情を調査するとともに、各種資料の収集・分析を通して、その概要を把握し、かつ本研究の全体枠構築のための準備を行った。 研究代表者ならびに分担者は、中国現地ならびに日本において、海外共同研究者である清華大学李強教授ら中国側研究者と3回(2005年9月北京、10月東京、2006年2月神戸)にわたり情報交換のための研究会を実施し、今後の現地調査を含む当該テーマに関する国際情報交換に努めた。 本研究のテーマとして取り上げた中国における伝統保存型開発は、現在、中国における都市開発にとって無視できない潮流となりつつある。それはこれまでの開発手法がその成果を急ぐあまり都市破壊の批判を浴びてきたからである。とりわけ本研究の対象として取り上げた北京市什刹海ならびに北京市宣武区大柵欄地域の商業的な都市開発整備は、北京市のみならず中国における2つの注目すべきものといえる。 什刹海は北京旧城内に位置し、周辺にはかつての貴族の住居であり、歴史的遺産でもある多くの王府や北京の住居の特性である胡同や四合院を有する。同時に、前海や后海と称される湖の存在など、豊かな自然環境に恵まれている。近年では、北京市民のみならず外国人の観光スポットとして、街区の変化が激しい。ただ、その変化は主として市民の経済的動機に基づくものであり、いわゆる消費動向を敏感に反映した開発が進んでいる。 一方、宣武区大柵欄地域の場合は、2008年の北京オリンピック開催をにらんだ完全に国策型の都市開発整備であり、その開発は現代北京の最も重視される開発整備として、すべて政府の計画に基づき行政デベロッパーの手で進められている。 本研究においては、今後、こうした全く異なった特性を有する2地域の現地状況を引き続き調査していくとともに、これらの開発の対比を通して、現代中国における都市開発整備の動向と市民意識の変遷を明らかにしたい。
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