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2006 年度 実績報告書

経済危機と国際移民-アルゼンチン日系人のデカセギ戦略に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17402030
研究機関徳島大学

研究代表者

樋口 直人  徳島大学, 総合科学部, 助教授 (00314831)

研究分担者 稲葉 奈々子  茨城大学, 人文学部, 助教授 (40302335)
丹野 清人  首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (90347253)
キーワード外国人労働者 / 移住システム / 労働力移動 / エスニシティ / トランスナショナリズム
研究概要

本年度は、(1)海外調査、(2)国内調査、(3)文献サーベイと既存データの再分析を行った。それぞれの概要と成果は以下の通りである。
(1)海外調査:2006年7〜8月、12月にアルゼンチン調査を行った。ブエノスアイレス市内のほか、近郊のラプラタ、エスコバール、パラグアイ近くのポサダスで約120件の聞き取りを実施した。対象者の主な職業は花卉栽培農家とクリーニング店であり、そこで得られた知見は以下の通りである。(1)農家の場合、JICAへの借金返済のためにデカセギに行く比率が高い。(2)クリーニング店の場合、店を妻に任せて夫が渡日する場合が多い。(3)一世に関していえば、(1)(2)とも斜陽産業であり、中間層からの転落の危機を食い止める点で、また帰国の機会となる点でデカセギのメリットは大きい。二世以下に関してはまだ調査が不十分であるが、世代ごとの相違というテーマが明らかとなった。
(2)国内調査:2006年9〜12月に関東在住のアルゼンチン出身者12名に聞き取りを行った。海外調査でも確認できたことだが、日本国内のアルゼンチン人人口が少ないことから、日本で知り合い結婚する場合、ブラジル人かペルー人、あるいは日本人が配偶者になることが多い。日本人と結婚する場合には定住が前提となるが、他の南米諸国出身者が配偶者の場合には将来の展望が一層不確定となる。
(3)文献サーベイ:レビューしたのは(1)日本の移民・エスニシティ研究と(2)英語圏のトランスナショナリズムになる。南米一世は、(1)移住先での生活ばかりが注目されてきたが、日本とのつながりを保ち続けるという点で、(2)トランスナショナリズムによるアプローチの可能性を確認できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Do Transnational Migrants Transplant Social Networks? Analyzing the Social Capital of Brazilian Entrepreneurs in Japan2007

    • 著者名/発表者名
      HIGUCHI Naoto
    • 雑誌名

      Proceedings for the second International Symposium of the Afrasian Center for Peace and Development Studies

  • [雑誌論文] リトンさんのデカセギ経験とセータービジネス2006

    • 著者名/発表者名
      樋口直人
    • 雑誌名

      Migrant's-net 89

      ページ: 14-15

  • [雑誌論文] 分野別研究動向(移民・エスニシティ・ナショナリズム) : 国際社会学の第2ラウンドに向けて2006

    • 著者名/発表者名
      樋口直人
    • 雑誌名

      社会学評論 56-3

      ページ: 634-649

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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