研究課題/領域番号 |
17402030
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
樋口 直人 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (00314831)
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研究分担者 |
稲葉 奈々子 茨城大学, 人文学部, 准教授 (40302335)
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キーワード | 外国人労働者 / 労働力移動 / トランスナショナリズム / 在日外国人 / 世帯戦略 / ラテンアメリカ / 移住システム / 移住労働者 |
研究概要 |
本年度は、引き続きアルゼンチンと日本の双方で聞き取り調査を継続した。2008年7〜9月と12月〜2009年1月に稲葉と樋口がアルゼンチンで聞き取り調査を進めた。日本でも2008年10月から本格的に聞き取りを進め、今年度は新規で名に対してインタビューを行った。こうした調査に関わる成果は、大きく以下のようになる。 1.昨年度に引き続いて家族・世帯に着目し、ある一家の日本-ドミニカ-アルゼンチン-日本-メキシコへの軌跡と世帯再生産をめぐる報告を関東社会学会で行った。それ先立つ基礎的な作業として、デカセギと家族に関する研究ノートを2本発表した。 2.アルゼンチンからのデカセギの二大拠点である湘南台と鶴見のフィールドワークを進めた。湘南台はいすゞ自動車関係の製造業で働く者が多く、鶴見では電設業者で働く者が多い。前者はデカセギ労働の典型で、二世・三世や非日系の配偶者が働くケースが多く、非正規就労者の町となっている。鶴見は、沖縄出身の一世が多く働きバブル時代に電設業界を築いていったが、二世についても一人親方や起業が可能という意味で、のしあがる町という性格づけが可能である。 3.非正規労働から脱却して正規労働や自営業へのキャリアパスを可能にする条件を、非正規就労者とそれ以外との比較において考察した。これまでの見通しでは、もっとも重要なのは日本語能力であり、読み書きに堪能でなくとも会話に堪能であれば非正規労働から脱却する可能性が格段に高まるという見通しが得られた。
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