研究課題
1.研究組織の編成と資料による分析枠組みの検討(1)資料収集および分析枠組みの検討:本研究の主対象である外国人学校について、1)各国の位置づけ、2)外国人学校の生き残りをかけたストラテジー、3)現地における外国人学校の受容と政府の政策について、文献資料および海外調査から議論を深めた。また各国の状況をクロスナショナルな視点から分類・考察するための枠組みについて概念の分類化を行った。(2)研究会および国内・海外調査の実施:毎月、研究会を開催し、各国の外国人学校の位置づけとその実態について議論を深めた。海外調査は(1)インドネシア調査(2回)、(2)カンボジア(3回)、(3)マレーシア、(4)韓国、(5)アメリカで実施した。(1)インドネシアではトルコ系学校、インド(コジャ)系学校、華人系学校、(2)カンボジアでは華人系学校、フランス人学校、国際学校、(3)マレーシアではシーク系学校、国際イスラーム学校、(4)韓国では国際学校、(5)アメリカではニューヨーク慶應アカデミー、日本人学校に関して、現地訪問および関係者へのインタビュー、資料収集を実施した。一方、国内については、日本における外国人学校の認定基準、学校形態別の数量的把握と各学校の特色について資料収集を行い、訪問調査では日系ペルー人学校を訪問した。(3)国際セミナーの開催:11月にインドネシアから研究者を招聘(国立ディポネゴロ大学アジア研究センター長・イエティ氏)し、インドネシアの外国人学校についての国際シンポを開催した。(4)全体打ち合わせ会:毎月の研究会に加え、7月に全体打ち合わせ会を開催し、研究の方向性について議論した。2.研究成果:上記の研究を通して、インドネシア、カンボジア、マレーシア、韓国において外国人学校の位置づけは多義性を帯びたものになっていることが明らかになった。たとえば、インドネシアにおけるトルコ系学校は現地の子弟を主として対象としており、新しい国際学校の形態として位置づけられる。また、カンボジアや韓国における国際学校における国籍の多様性や現地の子弟の急増、カンボジアやインドネシアにおける華人系学校の変化、アメリカ・慶應アカデミーなど私立学校の海外進出など、グローバル時代の特徴が現れている事例であるといえる。また、生徒や教員の交流を通じてグローバルなネットワークの形成が進んでおり、変化する外国人学校の越境的・超国家的特徴が明確になっている。
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異文化コミュニケーション研究 19号
ページ: 1-28
グローバル時代における市民性の教育-論文集(1)(日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト研究)
ページ: 71-89
留学交流
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30^<th> Pacific Circle Consortium 2006 Conference, Latinamerican Faculty of Social Sciences : Mexican Campus, 12 July 2006, Mexico City) (Chie Nakajima, Mina Hattori, Michio Sano) proceeding paper
ページ: 1-19