研究課題/領域番号 |
17403001
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
内田 悦生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40185020)
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研究分担者 |
中野 孝教 早稲田大学, 総合地球環境学研究所, 教授 (20155782)
下田 一太 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (40386719)
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キーワード | 東南アジア / アンコール遺跡 / サンボールプレイクック遺跡 / 中部ジャワ遺跡 / クメール遺跡 / 石材 / レンガ材 / 石造文化財 |
研究概要 |
2006年度では下記の調査・研究を行った。 (1)アンコール遺跡の石材調査:郊外の遺跡であるバンテアイ・チュマールおよびコー・ケルを含めて、砂岩材帯磁率の詳細な測定を行い、アンコール時代全期にわたる砂岩の帯磁率変化傾向を把握し、石切り場の変化および各遺跡の建造順序に関する考察を行い、論文として纏め上げた。また、バイヨン内回廊の保存修復を目的として、内回廊における石材劣化の状況を把握するとともに主要箇所において含水率測定を行った。さらに、アンコール遺跡では、開口部の上枠材として木材が使用されていることがあるが、このような木材のサンプリングを行い、放射性炭素年代測定を行った。 (2)プレ・アンコール期およびアンコール期のレンガ材調査:プレ・アンコール期に属するサンボール・プレイ・クック遺跡およびアンコール遺跡に使用されているレンガ材に対する今までの調査から、サンボール・プレイ・クック遺跡ではレンガの厚さが時代とともに薄くなり、アンコール期では逆に厚くなることが分かっていたが、その間の時代に属するクレン山の遺跡、プラサート・アンデットおよびアック・ヨム等において調査を行い、基本的に今までの傾向と一致することが確かめられた。 (3)中部ジャワ遺跡の主要遺跡に使用されている石材の調査を行い、石材の形、厚さおよび積み方が時代とともに変化していることを明らかにするとともに、地域によって石材の供給地が異なることを明らかにした。 (4)タイのコラート高原に分布するクメール遺跡の石材および周辺地質に関して最終的な調査を行い、遺跡に使用されている石材が周辺地質に支配されていることを明らかにし、その結果を論文として纏めた。
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