• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

東アジア沿岸域における地下水流出に伴う炭素・栄養塩類負荷量の評価

研究課題

研究課題/領域番号 17403002
研究機関総合地球環境学研究所

研究代表者

谷口 真人  総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (80227222)

研究分担者 蒲生 俊敬  東京大学, 海洋研究所, 教授 (70143550)
徳永 朋祥  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70237072)
宮岡 邦任  三重大学, 教育学部, 准教授 (70296234)
張 勁  富山大学, 理学部, 准教授 (20301822)
小野寺 真一  広島大学, 総合科学部, 准教授 (50304366)
キーワード環境変動 / 海洋物理・陸水学 / 地下水学 / 水圏現象 / 海洋保全 / 物質負荷 / 沿岸生態系
研究概要

地下水湧出に伴う栄養塩類の海への負荷は、沿岸域生態系へ大きな影響を与えていると考えられているが、その評価は始まったばかりである。本研究では、海底地下水湧出に伴う栄養塩(窒素・リン等)と炭素の負荷量の評価を東アジア沿岸域において行い、日本での研究成果との比較を行い、海底地下水湧出が沿岸域の生態系に与える影響の解明に挑戦する。アジアでの海底地下水研究は日本を除いてあまり行われておらず、本研究グループが確立しつつある海底地下水湧出の評価方法を、人間活動が活発で栄養塩類などの人為的負荷の大きな東アジアの沿岸域で行うことで、陸域からの海域への地下水湧出による物質負荷量の評価を行った。韓国および台湾での海底地下水湧出調査では、自記地下水湧出量計を用いた海底地下水湧出量の連続測定、ピエゾメータによる海底間隙水ポテンシャル測定と水質測定、Rnをトレーサーに用いた海底地下水湧出量の測定、CTDセンサーを用いた海底地下水電気伝導度の連続測定、比抵抗トモグラフィー法を用いた沿岸間隙水および物性の評価、湧出地下水の酸素水素安定同位体測定による起源の解明、湧出地下水・陸域地下水・沿岸海水の栄養塩類の測定、などを行った。一方、東南アジアのバンコクとマニラでも同様の海底地下水調査を行っており、それらと今回の結果を比較した。バンコク・タイ湾での調査では、海底地下水湧出のうち"再循環水"による物質負荷(特にシリカとリン)において、河川水による寄与と同等量が海底地下水湧出(再循環水)によってもたらされていることが明らかになった。また、マニラでも同様の結果が得られており、海底地下水湧出のうち、沿岸域への物質負荷における"再循環水"の重要性について明らかにすることができた。日本各地でも同様の海底地下水調査を行っている。これまで、熊本・不知火、神戸・御前浜、黒部、駿河湾などで、主に物理学的手法による海底地下水湧出の評価と、水質・同位体分析による栄養塩の負荷に関する調査を行ってきた。潮位変動の大きい韓国・京畿湾では、再循環水の影響を強く受けるのに対し、地形の急峻な日本の海岸域でほ、淡水成分がもたらす栄養塩が、河川水のそれに匹敵する量である所もあることが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Groundwater-derived nutrient inputs to the Upper Gulf of Thailand2008

    • 著者名/発表者名
      Burnett, WC, et. al.
    • 雑誌名

      J.Coastal Research 24

      ページ: 15-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluating ground water-sea water interactions via resistivity and seepage meters2007

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, M., et. al.
    • 雑誌名

      Ground Water 45・6

      ページ: 729-735

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of fresh groundwater contributions to the nutrient dynamics at shallow subtidal areas adjacent to metro-Bangkok2007

    • 著者名/発表者名
      Umezawa Y., et. al.
    • 雑誌名

      IAHS Publication 312

      ページ: 169-179

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Infrared measurements to evaluate groundwater discharge in the coastal zone2007

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi M., et. al.
    • 雑誌名

      IAHS Publication 316

      ページ: 22-26

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Comprehensive evaluation of the groundwater-seawater interface and submarine groundwater discharge2007

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi M., et. al.
    • 雑誌名

      IAHS Publication 312

      ページ: 86-92

    • 査読あり
  • [学会発表]2007

    • 著者名/発表者名
      谷口 真人
    • 学会等名
      国際測地学・地球物理学会
    • 発表場所
      ベルージャ、イタリア
    • 年月日
      2007-07-11
  • [学会発表] Comprehensive evaluation of the groundwater-seawater interface and submarine groundwater discharge2007

    • 著者名/発表者名
      谷口 真人
    • 学会等名
      国際測地学・地球物理学会
    • 発表場所
      ペルージャ、イタリア
    • 年月日
      2007-07-10
  • [備考]

    • URL

      http://www.chikyu.ac.jp/USE/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi