研究課題/領域番号 |
17403004
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
湯田 利典 神奈川大学, 工学部, 教授 (60092368)
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研究分担者 |
瀧田 正人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (20202161)
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (60157039)
山本 嘉昭 甲南大学, 理工学部, 教授 (70068112)
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キーワード | 国際研究者交流 / チベット / 高エネルギー宇宙線 / 空気シャワー観測装置 / 活動的天体 / knee領域 / 太陽の影 / ガンマ線点源 |
研究概要 |
チベットの羊八井高原(標高4300m)に中国と共同で建設した高精度空気シャワー観測装置を用いて高工ネルギー宇宙線の観測を行なっている。この装置は、特定領域研究経費及び東京大学宇宙線研究所特別事業経費などにより建設されたもので、2003年秋に完成した。入射エネルギーが数TeV以上の宇宙線を高精度で観測するため、総数789台のシンチレーション検出器が7.5m間隔の碁盤目状に配置され、そのカバーする面積は約37000平方メートルと世界最大の規模を有している。これにより、高エネルギーガンマ線点源の探索、一次宇宙線のスペクトルと組成、銀河磁場及び太陽磁場による宇宙線変動について新たな知見を得ることができる。観測データは磁気テープにコピーされて宇宙線研究所に定期的に郵送され、計算機に保存されている。各大学から計算機に直接アクセスでしてデータの解析が行なわれている。 昨年9月から11月にかけて、観測装置の各検出器からの信号レスポンスの較正、全システムの調整と破損部分の修理と交換作業を行なった。特に、夏から故障のために停止していたUPSの交換作業を行ない、システムの全面的復帰を行なった。さらに、将来の水チェレンコフ装置建設のための準備作業、すなわち、テストプールの設計、中国の建設業者との打ち合わせ等を行なった。これらの作業のために、研究者の中国への派遣及び中国人研究者の日本への招聘を行なった。 観測データの解析は順調に進行し、宇宙線の全粒子スペクトル、太陽の影、宇宙線の大規模異方性の観測結果を各種の国際ワークショップで発表し、また学術宇雑誌への投稿も行なった。特に、米国の雑誌、SCIENCEへの論文掲載は高い評価を受けた。また、水チェレンコフ・ミューオン検出器建設の将来計画については研究会等で大きな期待が寄せられた。
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