研究課題/領域番号 |
17404002
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研究機関 | 都城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
濱田 英介 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70300663)
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研究分担者 |
森茂 龍一 都城工業高等専門学校, 教授 (10182263)
金澤 亮一 都城工業高等専門学校, 准教授 (30390553)
河口 定生 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20091366)
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キーワード | モンゴル国 / 水質 / 大腸菌 / 土壌肥沃度 / 窒素循環 / 硝化細菌 / 大気汚染 / 石炭燃焼灰 |
研究概要 |
モンゴル国東北部を中心として、東部ステップ地域に至る範囲(北緯49°52"〜同46°29",東経108°48"〜同115°41")の水質・土壌の調査研究を行った。また、ウランバートル市とその周辺の大気分析を行った。水質分析は全33地点で行い内18地点の水を日本で詳細に分析した結果、ナトリウム、塩素、硫酸イオン濃度が高く、また、フッ素イオン濃度は基準値0.8mg/lを超える水が14地点で確認された。各種無機イオン濃度分析の結果、当地域の水質は炭酸カルシウム型であった。大腸菌群の存在は18地点中10地点で確認されたが、その殆どは数個cfu/ml以下であり、モンゴル南部に比べ極めて小さい値であった。 モンゴル東部平原土譲の窒素肥沃性を査定するために表層土壌を30箇所から採取して、土壌窒素循環に関与する微生物相を計測した。無機窒素アンンモニアを亜硝酸にするアンモニア酸化細菌は、1.1x10^3個/g)と多い菌数であり、さらに亜硝酸を硝酸に変換する亜硝酸酸化細菌はより多い菌数(16.6x10^3個/g)であり、モンゴル東部平原土譲では、添加された、あるいは土壌より無機化された無機窒素は速やかに硝化され、土壌水分の動きにより、流亡あるいは表土に集積しやすい無機窒素であることが推測される。また、硝酸窒素を窒素ガスで損失させる脱窒菌数、窒素固定細菌数は通常の土壌よりはるかに少なくて、おのおの5.3x10^3、7.9xx10^3個/gであった。また、乾燥草原の土壌粒子を固定し、窒素肥沃度を向上するシアノバクターは検出されず、モンゴル東部平原土譲の窒素肥沃性はそれほど高くないことが明らかになった。最後に温暖化の進むモンゴルの首都ウランバートルの大気質の調査研究を行った。ウランバートル市は急激な都市化のために車の排気ガスや遊牧民の住居から排出される石炭燃焼灰により劣悪な状況にあることが判明した。大気や粉塵からは高濃度の揮発性有機化合物や砒素や水銀などの重金属を検出した。
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