研究概要 |
1.台湾調査 1)データ収集 集鹿大橋の補修・補強手法について,施工担当者からヒヤリング調査を実施し,構造物の詳細な損傷状況を明らかとした. 2)動的解析 比較的大規模な補強が集鹿大橋において実施されている.そこで,その補強効果を評価するために,同程度の地震が新たに発生した場合の構造物の応答を評価し,補強方法の有効性を評価した. 2.イラン調査 1)調査結果 調査した構造物は,橋梁(3箇所),給水塔,モスク(3箇所),BHRC,電話局,アフラトニアン病院の10箇所である.調査した構造物はいずれもBもCランクであったが,その内2箇所については,撤去・再構築が実施されていた.また,周辺地域の建物は56〜99%の非常に高い被害度であった. 3)解析概要 入手した資料を基に,開発した非線形動的解析手法を用いて,構造物の損傷度を評価した.そのうち,橋梁NO.1に対しては特に損傷度が極めて小さい原因を現地入力波形を用いて解析的に評価した.その結果,入力波形は大きいものの,桁遊間距離が小さいことによる橋台一桁間の変位拘束効果により,損傷が極めて軽微となることを明らかにした.本解析の適用性を明らかにするために,中越地震により同様の損傷が認められた橋梁についての解析も実施した. その結果,桁衝突が発生し橋台が損傷するものの,桁移動が拘束されることによって,橋梁全体系としてみた場合には,橋脚損傷が軽減されることが明らかとなった.
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