研究概要 |
2005年度に引き続き国内の研究では荻原が東京湾三番瀬干潟、谷津干潟での観測を、上原が蒲生干潟での観測を継続して行った。海外ではインドネシア、スラバヤ海岸のLamong湾での観測をインドネシア、スラバヤ工科大学のチームと合同で行った。 荻原は当日の水質とサンプリングした水の5日後の水質の変化を比較することによって、干潟の水質環境を判定しようとした。5日間の変化に注目したのはBODがそのような判定の仕方になっているので、それにあわせた方が良いと考えたからである。水質の観測項目はDO, COD, NH_4,NO_2,NO_3,PO_3である。干潟の海水と、干潟土中の水との間には顕著な違いがあり、土中ではNH_4が多く、海水中ではNO_3が多くなっていることが判った。2006年度から細菌数の測定も行い、水質との関連を求めようとした。 上原は蒲生干潟で水質から、水位、土中の水質まで測定して成果を8編に渡って土木学会年次学術講演会と同東北支部技術研究発表会で報告している。 海外研究はインドネシアLamong湾での観測を12月9日にインドネシア、スラバヤ工科大学のメンバーと共同で、水質関係に重点を置いて行った。水質については当日と5日後の水質の分析を行った。 結果は淡水域の河川、汽水域の河口部と湾の中央の海水域での水質には、特徴的な変化があり、前者ではNH_4が、後者ではNO_3が多くなっていることが判り、5日後の測定から河川部のNH_4が減り、NO_3が増えるなどの変化が生じている。濁度は高いが、水質環境としては良好ではないかと推定している。2007年度は今回の観測方法を発展させ、固定観測点を含めてより長期間に渡る観測を行う予定である。滞在期間を5日後の水質分析が可能な日程を組むことにする。成果をまとめて2007年度のIAHRに投稿し採用が決定している。また2007年の土木学会年次学術講演会にも成果を発表する。
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