研究概要 |
荻原が東京湾三番瀬干潟、葛西海浜公園での観測を、上原が蒲生干潟での観測を継続して行った。またインドネシア、Lamong湾での観測をスラバヤ工科大学のチームと合同で行った。 荻原は当日の水質とサンプリングした水の5日後の水質の変化を比較することによって、干潟の水質環境を判定しようとした。5日間の変化に注目したのはBODがそのような判定の方法をとっているので、それにあわせた方が良いと考えたからである。水質の観測項目はDO, COD, NH_4, NO_2, NO_3, PO_3である。 上原はラモング湾の干潟について、塩分、DO,水温、干潟面積、干潟の底質、底生生物の調査を行い、蒲生ラグーンの干潟と比較した。干潟の水環境は汚染物質の流入があるにもかかわらず、生物生息にとって良好に保たれていると考えられた。しかし、これまで、埋め立てが継続されてきたこと、継続的な調査が行われていないこと、またこれから湾を横断する橋や人工島の築造が計画されており、環境の大幅な悪化が懸念される。蒲生ラグーンの干潟生態系の調査は、七北田川河口部の流入水の塩分、入り口部導流堤の流量、ラグーン内の塩分、DO,水容積、セジメント、および奥部の水理について調査し経年変化も含めて明らかにした。環境の悪化が徐々に進行しており、現在進行中の自然再生事業の中で修復していく必要がある。 海外研究はインドネシアLamong湾での観測を12月13日にスラバヤ工科大学のメンバーと共同で行った。結果は淡水域の河川、汽水域の河口部と干潟の土壌中での水質には、特徴的な変化があった。2008年度に行った濁度とDO、GPSによる位置情報とともに同時に測定できるシステムを船に載せてLamong湾内の多くの点での観測は有効であった。研究成果をまとめて2008年度のAPD-IAHR、土木学会の年次学術講演会で発表している。なおスラバヤ海岸の水質に関連して、ポロンの泥火山の視察を今年も実施した、現在も活動中であり、今後の継続観測が必要であると考えられるので、次の研究課題とした。
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