研究課題/領域番号 |
17404013
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
一ノ瀬 俊明 独立行政法人国立環境研究所, 社会環境システム研究領域, 主任研究員 (30231145)
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研究分担者 |
三上 岳彦 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (10114662)
白 迎玖 東北公益文科大学, 公益学部, 講師 (50372884)
泉 岳樹 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (10336513)
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キーワード | ヒートアイランド / 河川 / ミティゲーション / 暑熱 / 環境復元 / 大気環境 / ソウル / 大気汚染 |
研究概要 |
黄海より約30km内陸に位置するソウル市内には、暖候季を中心に黄海より海風が進入しており、この場合西風成分が卓越する。また、観測対象地付近の復元河道の走向はほぼ東西である。成田らなどの先行研究によれば、都市内の緑地や水体からその周辺へ冷気が供給される場合、一定以上の面積を有するものであることが必要であると考えられるが、河道の幅がわずか50m前後の清渓川では、例えば南北風が卓越する場合、地表面付近の空気が緑地面や水面と接触する時間は短く、その冷却効果が河道から離れた場所にまで及ぶことを期待するのは困難と考えられる。よって、卓越風向が河道に沿ったものである時にこそ、河道からの周辺地域への冷気の供給が期待できるのではないか、との仮説をたてた。CFD2000による数値シミュレーションからは、復元河道上を吹走する冷気が渦を巻きながら、河道に直交する街路へ南北同時に進入する様子が計算されている。以上の仮説を実証すべく、2006年8月6日〜13日に超音波風向風速計による観測を行った。観測期間中は連日晴天に恵まれ、復元河道上では午後から夕刻にかけて連日海風と思しき西風が卓越した。8月13日夕刻の事例では、河道上のB地点(橋の上)で西風が強まるのと同期して、北側のM6地点(建物は平均3階程度)と南側のM4地点(同2階程度)ではそれぞれ南風、北風が強まり、とりわけM4地点ではそれと同期して気温が1℃程度低下している。このような現象は、M2地点(ソウルシネマ前)では比較的不明瞭であり、清渓川路より1本北の東西道路(鐘路;ジョンノ)からと思われる北風も時折観測された。同時期に実施されたシャボン玉による移動観測の結果と照らし合わせると、清渓川の影響は南北とも河道より80m程度までは比較的明瞭であり、約140m離れたソウルシネマのあたりが反対から吹き込む風系との干渉地帯となっているものと考察される。
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