研究課題/領域番号 |
17404016
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
田中 智子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (20197453)
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研究分担者 |
村田 順子 東大阪大学短期大学部, 家政学科, 助教授 (90331735)
石飛 知華 松山東雲短期大学, 生活科学科生活デザイン専攻, 講師 (50425386)
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キーワード | 都市計画・建築計画 / スウェーデン / 高齢者 / 居住継続 / 生活支援 |
研究概要 |
スウェーデンでは、施設介護は認知症などごく一部に限定し、ターミナルケアまで在宅で行う方針を打ち出している。健康期から虚弱期、要介護期、ターミナル期までの在宅継続を支えるための施策として、(1)介護予防のためのデイセンターの役割、(2)住宅改造の重要性に着目し、施策の現状と効果、課題について明らかにすることを研究目的としている。そのために(1)デイセンターの配置計画、施設計画、運営と利用の状況および課題、(2)住宅改造の実施状況、効果、問題点について現地調査を実施する。 コミューンでは、介護予防事業として以下のような事業を実施している。(1)パートナーの介護予防(配偶者の介護をしている高齢者が要介護にならないよう助言をする、自由時間を持てるようヘルパーを派遣する)、(2)ショートステイ、(3)75歳以上の元気老人に対する訪問アドバイス(住宅改造や医療的知識)、(4)視力・聴力に関するアドバイス、(5)住宅改造、(6)ミーティングポイント、(7)便利屋サービス、(8)転倒防止事業、(9)高齢者団体にたいする資金補助、(10)ボランティアワークの組織。 ミーティングポイントとして、高齢者のボランティアを組織し、高齢者向けレストランや喫茶店、デイサービスを実施している事例がみられた。利用者に対する生活支援となるだけでなく、運営者にとって生きがいになっていると評価されている。スウェーデンにおいては、高齢者ケアは従来コミューンで実施するのが原則であったが、これまで海外援助に向けられていたボランティアが、高齢者向けに実施される傾向がみられる。また、要介護高齢者向けデイサービスの実施率は日本ほど高くないが、自由参加のデイサービス(オープンデイケア)については、効果が高いと評価されている。 転倒予防事業としては、わかりやすい啓発パンフレットを作成するとともに、高齢者の自宅を訪問して、環境改善のアドバイスを実施している。
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