研究課題
実験では硫化したGaAs基板にパラジウム原子を載せた系で周東・有澤(北大薬学)、塚本(阿南高専)らによってヘック触媒反応が報告されているので、まずその系に絞って第一原理計算を行った。2×2のスーパーセルでの第一原理計算により、硫黄原子とパラジウム原子のそれぞれの安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。さらに、硫黄原子とパラジウム原子がそれぞれ1個ずつ共吸着した場合での両原子の安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。また、それぞれの場合の電子状態の違いを調べた。計算の結果判明したことは、硫黄原子を先に吸着させても、後から吸着したパラジウム原子の安定吸着位置の方が硫黄原子より内側となることと、硫黄原子との共吸着の場合の方がかなりパラジウム原子の吸着エネルギーが強くなることである。つまり、硫黄原子の役割はパラジウム原子を強く表面上に結合させることであると言える。このことは、実験において硫化していないGaAs基板上にパラジウム原子を載せた場合に触媒活性は示すものの数回の実験で触媒活性が失われてしまうのに対し、硫化させたGaAs基板にパラジウム原子を吸着させた場合は100回程度実験を繰り返しても触媒活性の劣化があまり起きないという事実を説明する計算結果であると言える。このことから、硫黄以外の原子を代用させてパラジウム原子を固定させることも可能であることも結論づけられた。また、GaN(0001)基板についてもパラジウム原子と硫黄原子の吸着位置を明らかにした。モンゴル国トユーブ県のフスタイ国立公園の砂丘地帯で、草原地帯と砂丘地帯の2つの異なった環境が植栽された苗木に与える影響を明らかにするために、30m×200mのプロットを草原と砂丘をまたぐように2ヶ所設置し、欧州アカマツ、白楡、オオムレスズメを植栽した。植栽後2年目の活着率を測定した。その結果、欧州アカマツは草原側で高かったが、オオムレスズメと白楡は草原の立地条件によって結果が異なった。モンゴル国ドントゴビ県マンダルゴビ市周辺のカラガナステップで、カラガナとその周辺の草本植物の相互作用に対する放牧圧の影響を調べるために、冬営地を2箇所選んで調査を行った。その結果、放牧圧が高いほどカラガナの植被率は低くなったが、草本植物は放牧圧によって種組成が変化し、牧草としての価値の高い草本植物は必ずしも放牧圧が高くなるほど減ることはなかった。中華人民共和国内蒙古自治区烏審旗毛烏素沙地開発整治研究中心に植栽した樟子松とポプラの生育経過を測定したところ、両樹種とも植栽密度が高いほど樹高成長がよく、苗木の生残率も良かった。流砂地帯であるため、植栽直後は植栽密度が高いほど風の影響が少なくなったためと考えられる。毛烏素沙地の常緑針葉樹で流砂固定のための緑化植物として有力は臭柏の乾燥ストレス耐性を調べたところ、水ストレスの強さによって樹体内の水分通導度や葉量を調整する能力があることが分かった。
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