研究概要 |
本研究において、マルハナバチの巣を発見することが、研究の第一歩であった。初年度H17年においては、日本国内で、トラマルハナバチとコマルハナバチの巣を30個以上、フィンランドでもB.lucorumとB. lapidariusの巣を見つけることができたが、中国南西部においては、自然破壊が思ったよりも進んでおり、まったく発見できなかった。H18年度は国内でミヤママルハナバチの巣を2個、国外調査地として絞り込んだフィンランドでB.hyponorumとB,lucorumの巣からDNAサンプルを得ることができた。H19年度は冬の終わりから春先にかけての異常気象のため、国外だけでなくフィンランドにおいてもマルハナバチ発見個体数が激減し,思うような調査ができなかった。それでも、フインランドにおいては、B.lapidariusの巣を1つ、デンマークにおいてB.terrestrisの巣を2個発見したが、生育状態が悪く、DNAサンプルを得ることはできなかった。 海外サンプルはいまひとつの成果だったが、国内のサンプルを使って五箇公一氏とともに勢力的に解析を進め,巣数推定方溝を確立した。また、マルハナバチが採餌時に他個体に引き寄せられるという現象を明らかにし、国際的に高い評価を得た。掘り出した巣を使った花粉分析方法としても新たな解析方法を開発し,現在論文投稿中である。その他、営巣活動を観察する装置を開発し、トラマルの連続撮影を成功させ、その成果を論文化している最中である。残念ながら、人工巣は200個あまりしかけたにも関わらず、まったく成果があがらなかった。しかし、人工巣やマルハナバチを誘引する人工花の開発は急務であり、今後も検討を重ねていく予定である。
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