研究課題
基盤研究(B)
嶋田と伊藤は院生の加藤を指導して、毎年12月~3月にメキシコ調査を行った。メキシコ産Mimosestes属のマメゾウムシの分子系統解析を行い、寄主植物の単食化・広食化の進化の方向性を解析した。一般に植食性昆虫は、寄主植物への適応が進むにつれ、広食性から単食性に進化が進むと考えられている。しかし、分子系統樹と寄主植物の多様度を照合すると、Mimosae種群(M.amicus, M.insularis, M. mimosae)は逆方向の単食性から広食性に多様度が広がっていることが分かった。また、嶋田と日詰は、アズキゾウムシのX染色体に遺伝子水平転移したWolbachiaの遺伝子断片をゲノム解析した。津田は、植食性昆虫の寄主植物シフト過程を分析した。セコブマメゾウムシ(Callosobruchus)属では、乾燥マメを利用する食性が、乾季の長さに伴い進化したことを、分子系統樹を用いた最尤推定法によって示した。Bruchus属やBruchidius属では、利用する寄主マメ群がさまざまな系統レベルで保存的であることを確かめ、これを応用して側系統的なAcacia属マメの系統関係を示唆した。また、ハンガリーの海外協力者と共同して、近年寄主植物の解明が進んだ狭食性の東欧産マメゾウムシBruchus属12種とその寄主マメ科草本(ソラマメ連)の組み合わせについて、ハンガリーにて野外調査を行い、マメゾウムシ分子系統樹と各寄主形質との一致度を比較した。その結果、最も一致したのは(有意ではないが)化学組成であった。徳永は、毎年2月~3月に中国調査を行い、現地で出回っている豆類を食害しているマメゾウムシの採集を行った。ヨツモンマメゾウムシにおけるコンテスト型からスクランブル型への競争型の進化を決定する要因として、幼虫期の壁作り行動を取り上げ、その系統間・系統内変異と遺伝的基盤についての研究を行った。さらに、先行文献で示唆されたヨツモンマメゾウムシとアカイロマメゾウムシの掛け合わせ可能性の真偽を明かにするために、英国の海外協力者を訪問し、保管されているヨツモンマメゾウムシなどの系統を分譲を受け、以後の分析に用いた。
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http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/shimada-lab/