研究概要 |
2005年には乾期である8月に調査を実施したため,今年度は雨期である12月下旬から1月にかけて調査を実施した。また,今回はクラカタウヘの供給源として重要なジャワ島西部(チャリタ)での調査も行った。実質的な調査日数は,チャリタで2日間,クラカタウの4島で各島1-2日間であった。またシロアリに関しては,クラカタウとの比較のため,長期にわたって安定した生態系を維持してきたスマトラ沖のメンタワイ諸島において,2007年2月13日一3月2日に調査を実施した。 ハナバチ・カリバチ類は見つけ採りとスウィーピングで採集し,チャリタでは2科5属12種31個体のハナバチ,26種108個体のカリバチ,クラカタウでは3科8属12種103個体のハナバチ,31種165個体のカリバチがえられた。雨が多く,開花植物が少なかったため,採集された種数は予想したよりは少なかったが,ハナバチで1種クラカタウ初記録種が採集された。島レベルでは6種を新たに記録した。 アリ類はコロニー・ベースでの採集に努め,営巣場所の特定を行った。また花外蜜に誘引されるアリ相を解明するため,おもに海岸に生育するパイオニア樹種を対象にサンプリングを試みた。チャリタではサンプル管で25本,クラカタウ4島で215本分のアリが採集された。チャリタではおよそ30種,クラカタウではおよそ50種が採集された。 シロアリはクラカタウ諸島で合計160コロニーが採集された。前回の調査と比べると属レベルでは追加はなかったが,種レベルでは2-3種の追加があった。メンタワイ諸島では,クラカタウ諸島とは属や種の構成において大きな違いが見いだされた。 原著論文は,来年度にスマトラ島南部の調査を終えてから,全データを比較した上で執筆の予定。
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