研究分担者 |
高橋 晃 兵庫県立大学, 自然環境化学研究所, 教授 (30244693)
早川 和一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40115267)
垣内 信子 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30204324)
池田 博 岡山理科大学, 総合情報学部生物地球システム学科, 助教授 (30299177)
能城 修一 森林総合研究所, 木材利用部, 研究官 (30343792)
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研究概要 |
今年度は中国の河北省,甘粛省,新疆省,並びにロシアのブリアチア共和国及び沿海州において,マオウ属植物自生地の現地調査を行った。 1.平成18年5月6日〜10日に,御影が中国を訪問し,北京大学葯学院の蔡少青教授とともに中国河北省秦皇島の南載河河口のEphedra sinica自生地において自生状況を観察するとともに,ヒツジによる食害影響を実験調査する目的で,一部の雌株群落内で地上部を短く切断した。また,8月21日〜25日に研究協力者らとともに同じ場所を再訪問し,生育状況を確認した結果,春に切断した株からはほとんど新芽が伸びていないことが確認された。 2.6月20日〜7月18日に御影が,研究協力者,北京大学葯学院大学院生,重慶市中葯研究院の研究者らとともに,中国甘粛省および新疆省にてジープを借り上げてマオウ属植物の調査を行った。50〜100Kmごとの採集を目的として調査した結果,58カ所で計103点の資料を採集した。本調査により,新たにEphedra przewarskii var.kaschgaricaおよびE.distachya(蛇麻黄)の2分類群を採集することができた。 3.8月3日〜12日まで,御影,垣内らがロシアのブリアチア共和国を訪問し,ブリアチア大学の研究者らとともにEphedra dahuricaおよびE.monospermaの自生地を調査した。帰国後,DNA塩基配列を検討した結果,E.dahuricaとされるものはE.sinicaの配列に酷似しており,本種をE.sinicaのシノニムとする説を支持する結果が得られた。 4.9月3日〜8日まで,御影らがロシア沿海州で,ロシアアカデミー極東支部の研究者らとともにE.monospermaの自生地を調査した。自生地は海岸砂地で,先述した中国南載河のE.sinica自生地によく似た環境であり,ともに洪水等で流されてきた毬果から発芽生育したものと考察され,また本属植物はある程度の耐塩性のあることが確認できた。 5.当初予定していたパキスタンにおける調査はカウンターパートの都合で次年度計画とした。
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