研究分担者 |
高橋 晃 兵庫県立大学, 自然環境科学研究所, 教授 (30244693)
早川 和一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40115267)
垣内 信子 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (30204324)
池田 博 岡山理科大学, 総合情報学部生物地球システム学科, 准教授 (30299177)
能城 修一 森林総合研究所, 木材利用部, 研究官 (30343792)
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研究概要 |
平成19年5月28日〜6月2日に北京に赴き,北京大学葯学院の蔡少青教授の協力のもと,河北省南載河のEphedra sinica自生地にて,家畜による食害程度を実証するために実験区として昨年度に地上部をカットした群落の生育状況を調査した。その結果,他の群落に比して明らかに生長や花つきが悪くなっていることを確認した。 7月5目〜8月5日まで,中国の主として雲南省および四川省で調査した。研究協力者1名とともに重慶へ行きジープをチャーターして,北京大学の学生1名と共にマオウ属植物の自生地を調査した。その結果,計17地点において4分類群85株を採集した。とくに四川省茂県でEphedra likiangensisを採集できたことで,明代に良質品麻黄として本種が使用されていたとする代表者らの仮説を実証することができ,大きな成果が得られた。また,新たに新分類群と考えられる株も採集し,現在詳細を検討中である。 8月14日〜23日まで,中国の内蒙古自治区のモンゴル国境に近い場所で,研究協力者2名,北京大学の蔡教授及び学生1名と共に,Ephedra sinica自生地を調査した。その結果,計13地点でEphedrasinica60株を採集し,帰国後の研究で雨量の少ない土地の株にアルカロイドが多いことを明らかにした。また,5月に訪問した南載河の自生地(上述)を再訪し,実験区では明らかに着果数が少なく,植物体の高さが低いことを確認し,1年余りに及ぶ研究成果を和漢医薬学雑誌に投稿した。 帰国後は栽培研究をも行い,とくに今年度はEphedrasinicaの耐塩性ならびに水分ストレスに関する研究を行い,耐塩性については通常の海浜植物と同等であることを明らかにした。
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