研究課題/領域番号 |
17405018
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
遠藤 秀紀 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (30249908)
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研究分担者 |
木村 順平 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (30177919)
佐々木 基樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50332482)
押田 龍夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50374765)
西川 完途 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (10335292)
西海 功 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (90290866)
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キーワード | インドシナ / スンダシェルフ / 脊椎動物 / 分子系統 / 機能形態学 / リス科 / クラ地峡 / 動物地理学 |
研究概要 |
本研究では、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア島嶼域の脊椎動物において、系統分化機構について重要と思われる種やグループに着目し、種間および種内における系統地理学的変異を、遺伝学的・形態学的に明らかにすることを目指している。得られてくるデータから、各群のインドシナ・スンダシェルフ領域における生殖隔離の実態を解き明かし、あるいはこれまで認識できていなかった集団間の遺伝学的関係を把握しようと試みた。また、各グループが現在どのように環境に定着しフィールド資源を利用しているかという観点から、適応的変異を形態学的に検出しようと試みている。咀嚼・食性、ロコモーション、繁殖などの適応形質を取り上げ、熱帯および亜熱帯における陸棲脊椎動物の適応的特質を抽出し、表現型の多様性について体系的理解に挑戦している。 平成17年度は、研究代表者および研究分担者は、タイとベトナムの現地調査に出向き、フィールドの把握と具体的検討対象種の捕獲調査を進めた。遺伝子検討資料のサンプリング、頭骨・毛皮標本の作製を行っている。現地調査は、未来にわたるインベントリーの確立が可能となるような詳細なサンプリング作業を進めた。ミトコンドリアDNAについては全領域のシークエンス解読とその比較を進め、また肺組織を採材し、培養・染色により核型解析を進めている。一方で、形態解析のための骨格や臓器の収集を進め、哺乳類では外部形態を記録するための毛皮標本を作製し、爬虫類と両生類では液浸標本の製作を進めた。ツパイ類とリス類においては、頭骨計測値を蓄積、多変量解析によって、集団問の異同を定量的に議論している。なお、イギリス・フランス・オーストリア・ドイツの各自然史博物館においてリス類の形態解析を実行した。
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