研究課題/領域番号 |
17405023
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中島 裕美子 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (70244340)
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研究分担者 |
伴野 豊 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50192711)
行弘 研司 独立行政法人農業生物資源研究所, 主任研究官 (50343992)
伊藤 雅信 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助教授 (60221082)
日下部 宜宏 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (30253595)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助手 (30241368)
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キーワード | クワコ(Bombyx mandarin) / mariner-like-elements(MLEs) / Cecropia-ITR-MLE / Bmmar6 / L1Bm / アルカリフォスファターゼ(ALP)遺伝子 / (Alp-m,Alp-s) / ミトコンドリア(mt)cox1遺伝子 |
研究概要 |
クワコの収集については、大陸との関係で重要な地点となる対馬で13頭、福岡市で7個体、山口県下関市で6個体の幼虫を、また、韓国の春川と水原で合計20個前後の卵を収集した。更に、中国科学院上海生命科学研究院の黄勇平教授を訪問し、中国のクワコの収集を依頼した。 各地ワコ集団問におけるDNAマーカー・領域の比較結果は以下のとおりである。 サンプル数が増えたことで、日本に生息するクワコのCecropia-ITR-MLEは、均一な配列からなるグループとして位置づけられ、大陸に生息するクワコの配列は多様性を示すことが更に特徴づけられた。またBmmar6(カイコのMLE)タイプのMLEを日本と韓国に生息するクワコから単離したところ、これらは非常に相同性の高い配列であったことから、このタイプのMLEが比較的最近水平伝播によって日本や韓国のクワコの間で広がったことが示唆された。また、日本のクワコから単離された、Cecropia-ITR-MLEに挿入されたレトロトランスポゾンL1Bmについて解析を行った。L1Bmの挿入部位、L1Bm、挿入を受けたMLEの相同性から、MLE+L1Bmユニットが外部からのトランスポゼースの供給によって日本に生息するクワコ間で水平伝播した可能性が考えられた。 カイコ消化管に発現する2種類のアルカリ性フォスファターゼ遺伝子Alp-mとAlp-sは第3染色体にクラスターを形成している。日本産および中国産クワコにおいて、両遺伝子がカイコと相同なクラスター構造をもつことが明らかになった。また中国産クワコのクラスター構造は、カイコC124のものとよく一致した。昆虫集団の遺伝構造解析に関連し、ショウジョウバエ転移因子の動態を調査した。 更に中国産、韓国産クワコのミトコンドリアcox1遺伝子の部分塩基配列を決定した。これらをカイコおよび日本産クワコと比較したところ、両者ともカイコと極めて近縁であるが中国産のものがよりカイコに近いことが判明した。
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