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2007 年度 実績報告書

東アジア各地に生息するクワコを含む野蚕集団の、進化地理学・集団遺伝学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 17405023
研究機関琉球大学

研究代表者

中島 裕美子  琉球大学, 遺伝子実験センター, 准教授 (70244340)

研究分担者 伴野 豊  九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (50192711)
行弘 研司  独)農業生物資源研究所, 主任研究員 (50343992)
伊藤 雅信  京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 准教授 (60221082)
日下部 宜宏  九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30253595)
佐原 健  北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30241368)
キーワードクワコ(Bombyx mandarina) / 野蚕 / mariner-like-elements(MLEs) / Cecropia-ITR-MLE / アルカリフォスファターゼ(ALP) / (Alp-m,Alp-s) / 介在配列 / ミトコンドリア(mt)cox遺伝子
研究概要

台湾、韓国、日本の隠岐島他のクワコを採集し、染色体数の確認とDNAを用いたマーカー領域の調査を行った。その過程で、韓国産のクワコから転移能力を有すると考えられ、カイコのBmmar6に相同性の高い、転移性因子BmamaT1を単離した(J. Insect Biotech. & Sericology,77(1),2008)。また、rDNA領域の解析から、日本型クワコを中国や韓国のタイプと簡便に区別する方法を見出した(J. Insect Biotech. & Sericology,77(2),2008)。また、新たに解読したものと公開済みの配列をあわせたカイコ63、中国産、韓国産クワコそれぞれ2、日本産クワコ75のミトコンドリアcox1遺伝子の693bpの配列を比較し次の結果を得た。(1)日本産クワコとそれ以外は、少なくとも15サイトで異なる。(2)カイコでは4ハプロタイプが観察され、もっとも多いタイプと中国産、韓国産クワコのものはそれぞれ2塩基異なっていた。(3)日本産クワコではハプロタイプが13種確認されたが、そのうちの2つが全体の80%を占めた。祖先遺伝子の重複によって生じたと考えられる2つのAlp遺伝子(Alp-mとAlp-s)が、遺伝子の構造解析と免疫組織化学的手法により、日本産クワコにも存在することを明らかにした。さらにこれらの構造比較からカイコAlp遺伝子の進化を推定した。その結果、遺伝子部分の塩基配列は高度に保存されているのに対し、介在配列には大規模な構造上の改変(重複や挿入/欠失)が生じていた。カイコ介在配列の多型中もっとも出現頻度が高いCタイプが、クワコ介在配列と最も高い相同性を示した。カイコCタイプは最も祖先的なタイプである可能性が示唆された(J. Insect Biotech. & Sericology, in press,2008)。カイコのBACクローンを用いて、クワコのW染色体へのFISHを行い、遺伝子の局在をカイコのそれと比較した(.Insect Biotech. & Sericology, 76(1),2007)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A novel maT-type transposable element, BmamaT1, in Bombyx mandarina, homologous to the B. mori mariner-like element Bmmar6.2008

    • 著者名/発表者名
      Kawanishi, Y., Morimoto, M., Banno, Y., Nho, S. K., Maekawa, H., and Nakajima, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Insect Biotechnology and Sericology 77(1)

      ページ: 45-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FISH analysis of the W chromosome in Bombyx mandarina and several other species of Lepidoptera by means of B. mori W-BAC probes.2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshido A, Yasukochi Y, Marec F, Abe H, Sahara K.
    • 雑誌名

      Journal of Insect Biotechnology and Sericology 76(1)

      ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Method for rapid distinction of Bombyx mandarina (Japan) from B. mamdarina (China) based on rDNA sequence difference.2006

    • 著者名/発表者名
      Kawanishi, Y., Banno, Y., Fujimoto, H., Nho, S. K., Tu, Z., Mita, K., Tshuchida, K., Takada, N., Maekawa, H., and Nakajima, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Insect Biotechnology and Sericology 77(2)(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] mariner-like element(MLE)に挿入されたレトロトランスポゾンL1Bm,MLE Bmmar6領域,およびrDNAクラスターの特異性に基づく,クワコ集団間の比較,およびカイコとの分岐経路の考察2007

    • 著者名/発表者名
      川西祐一・伴野豊・盧時甲・間野修平・前川秀彰・中島裕美子
    • 学会等名
      BMB2007(第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会 合同大会)
    • 発表場所
      横浜:パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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