研究分担者 |
高橋 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80132009)
菅野 均志 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30250731)
三枝 正彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10005655)
伊藤 豊彰 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10176349)
清和 研二 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)
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研究概要 |
国内外の火山灰土の調査・試料採取を進めると共に国際学会,シンポジウム等で火山灰土の研究状況について講演した.国外火山灰土については台湾北部に分布する非アロフェン質黒ボク土の調査と試料採取を行った.この土壌の断面形態はわが国の火山灰土と類似した.すなわち,黒色で易砕性,容積重が小さかった.現在の植生は雑木林または草本植生であった.同火山灰土地帯は国立公園に指定され,農耕地はほとんどなく,未耕地のみの調査となった.台湾側の既往研究では粘土画分中に2:1型粘土鉱物はほとんど含まれず,ギブサイトとカオリナイトが主体である点がわが国東北部の非アロフェン質黒ボク土と異なる.その他の相違点がないかどうか今後室内分析により検討を進める. 国内の火山灰土については宮城県南部における蔵王火山の降灰地の調査と三重県中部の非アロフェン質黒ボク土の調査を行った.蔵王火山灰土は既往の研究によれば,玄武岩質火山灰を主な母材とし,アロフェン質黒ボク土となっている.梨園とその近隣の人工林において調査・試料採取を行った.容積重は十分小さく,土壌断面形態等からも典型的な黒ボク土と見られた.今後,室内実験により,梨園としての利用が林地とどのような相違を引き起こしているか検討を進める.三重県中部の非アロフェン質黒ボク土も上部のA層は黒色を示し,易砕性等も黒ボク土の特徴を示した.下層のB層には雲母風化物が目立ち,花崗岩風化物の様相が伺われた.この地点ではA層とB層の特性の違いの他に母材の違いにも興味が持たれる.この地点でも畑地と林地を組み合わせて試料を採取し,土地利用による土壌特性の変化も検討する予定である. 研究発表に関してはこれまでの研究成果を基に,第13回国際粘土会議におけるシンポジウム講演,日本学術会議公開シンポジウム講演,アロフェン・イモゴライト研究会およびイモゴライト研究会における講演,明治大学・日本ペドロジー学会共催の火山灰土に関する国際シンポジウムにおいて講演等を行った.
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