研究分担者 |
高橋 正 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (80132009)
菅野 均志 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (30250731)
三枝 正彦 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (10005655)
伊藤 豊彰 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (10176349)
清和 研二 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (40261474)
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研究概要 |
海外の火山灰土については米国カリフォルニア州の火山灰土を調査・試料採取した.同カリフォルニア州シエラネバダ山地の火山灰土のおかれている環境は夏に乾季を持つ地中海性気候だが、標高の高い地点では降水量の多くは雪となる。標高の低い降雪のない地域では表層約数十cmが容積重の小さく,Andisolの性質を強く示す層であったが,下層の容積重は大きかった。標高の高い地点はA層の土色の黒みが強く、容積重も小さいと見られ、Andisolの特徴が認められた。植生は両者とも針葉樹が主で、生育は良好であり、針葉樹の生産力に問題があるとは見られなかった。これらの地点よりやや南部のパミス堆積物には乾季にもかかわらず、深さ20-30cm以下には湿り気が保持され、針葉樹の生育を支えていると推測された。 前年採取した台湾の火山灰土の分析を進めた。活性Al+Fe/2含量はAndic土壌基準を満たす層が多く、表層はAl-腐植の卓越する非アロフェン質、下層は酸性シュウ酸塩可溶Si含量が増し、アロフェン質であった。表層では通常より酸性が強く、交換性Al含量の高い層も認められた。 国内の火山灰土については北海道東部を調査・試料採取した.この地域の火山灰土は比較的わかいものが多く,農地は草地として利用され、その特性を3段階に区分して施肥管理が行われていた。 前年に採取した宮城県蔵王火山灰土はAndic土壌基準を満たす層が多く、梨園表層に可給態リンが集積していた。三重県安濃の黒ボク土もAndic土壌基準を満たす層が多く、非アロフェン質だが、砂画分にはバブルウオール型の火山ガラスを確認した。また、Andiso性成過程では多くの重金属はほぼ不動性であった。 メキシコで開かれた「劣化火山灰土壌に関する国際会議」,米国で開かれた「第18回世界土壌科学会議」に参加し,成果発表を行った。
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