研究分担者 |
高橋 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (80132009)
菅野 均志 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (30250731)
三枝 正彦 豊橋技術科学大学, 先端農業・バイオリサーチセンター, 特任教授 (10005655)
伊藤 豊彰 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (10176349)
清和 研二 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)
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研究概要 |
海外の火山灰土についてはカリフォルニアで採種した半乾燥地の火山灰土の生成状況を分析した。当火山灰土は水分が制限されるため,火山灰の風化が遅れ,粘土含量,酸性シュウ酸塩可溶成分,リン保持量等が少なかった。しかし,このような状況下においてごく少量の二次的成分が走査型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析により認められた。その元素組成分析によれば黒雲母からハロイサイトの凝集体が生成していると考えられた。 これまでに集積した環太平洋火山帯に分布するアンディソル,火山灰由来スポドソルとその他の地域に分布する非火山灰由来スポドソルに関する土壌特性データを用い,炭素貯留状況,Al-腐植複合体の形成状況を比較した。その結果,アンディソルのA層,スポドソルのBh-Bhs層,Bs層,火山灰由来スポドソルのE層における炭素貯留量の頻度分布は類似した。一方,非火山灰由来スポドソルE層における炭素貯留量はこれらより少なかった。Al-腐植複合体の形成状況はアンディソルのA層,スポドソルのBh-Bhs層,Bs層において類似し,これらの層の炭素貯留はAl-腐植複合体の形成と関係が深いと考えられた。これに対し,E層ではAl-腐植複合体の形成がわずかで,フリーのカルボキシル基含量も低いと見られ,E層とA,Bh-Bhs,Bsの腐植とは性質が異なると見られた。 国内の火山灰土については三宅島のスコリア丘の未熟火山灰土を調査し,その露頭に認められた白色析出物物は石膏,無定形ケイ酸の沈殿などであることを明らかにした。また,スコリア粉砕物に希硫酸を反応させることによりその状況の一部を再現した。
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