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2007 年度 実績報告書

熱帯地域の都市近郊農業地帯における化学物質の生態環境動態と管理システムの改善

研究課題

研究課題/領域番号 17405026
研究機関京都大学

研究代表者

赤松 美紀  京都大学, 農学研究科, 准教授 (70183134)

研究分担者 間藤 徹  京都大学, 農学研究科, 教授 (50157393)
田中 樹  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (10231408)
森田 勝子  京都大学, 農学研究科, 助教 (20293912)
キーワード残留農薬 / 化学肥料 / バンコック近効農業 / 生態環境動態 / 分解 / タイ / 熱帯農業
研究概要

タイ,バンコック近郊農家を訪問し,使用されている化学肥料や農薬,および,農薬原液の希釈方法,畑への散布方法など,詳細な聞き取り調査を行った.畑の位置はGPSで確認した.そして,畑地の土壌を採取し,土壌中に含まれる残留農薬の分析を,バンコックにある分析研究所で行った.その結果,アスパラガス畑など主に輸出用野菜を栽培している畑土からはほとんど残留農薬が検出されなかったが,国内向けの野菜を栽培している畑土で,4日前にアバメクチンを含む混合農薬を散布した畑土から,残留農薬が検出された.しかし,10日前にアバメクチン散布を行った別の畑からは残留農薬は検出されなかった.また,タイでよく使用されている殺虫剤,アバメクチンの容器内分解試験を行った.昨年度,アバメクチンを土壌から抽出する際の回収率が安定しなかったが,抽出溶媒としてメタノールを用い,減圧濾過法を遠心分離法に変えてアバメクチン抽出液を土壌から分離したところ,安定した高回収率が得られるようになった.従って,分解試験にはこの方法を採用した.採取したバンコック近郊の畑土を用いて,標準温度25℃とバンコックの平均気温35℃で試験したところ,アバメクチンの半減期はいずれも数日で,35℃の方が分解はやや早かった.しかも,10日でほぼ10%程度に分解されることがわかった.アバメクチンに関しては,容器内分解試験の結果と現地における畑土中の残留農薬分析の結果に整合性があり,適切な方法で散布されていれば,環境中の残留農薬はほぼ問題ないことがわかったが,その他の農薬の半減期はアバメクチンより長いため,特に,今回,残留農薬が検出された地域では,今後の経過観察が必要である.農薬の調査には微妙な問題点が含まれているため,研究は予定通りには進行しなかった.しかし,人の健康と生態系保存の観点から,ここで得られた結果はきわめて貴重である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] タイの農薬事情-バンコク近郊農業地帯における環境中の残留農薬-2008

    • 著者名/発表者名
      赤松美紀
    • 雑誌名

      日本農薬学会誌 33(印刷中)

  • [備考]

    • URL

      http://www.fsao.kais.kyoto-u.ac.jp/cgi-bin/cas/wiki.cgi?page=%C0%D6%BE%BE%C8%FE%B5%AA%A1%A6%B8%A6%B5%E6%B3%B5%CD%D7

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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