2008年9月にタイ国の東北部に位置するサラブリ森林調査ににおいて、土壌動物群集と土壌の細根の量の関係を検討した。野外において、以下の調査を実行した。1.熱帯季節林に30mX30mの調査地を設定し、中を36個のサブ調査地にした。各サブ調査地において、20cmx20cmの調査枠を設けて、深さ10おきに3層の土壌を採集した。その後、野外において土壌サンプルから土壌動物を採集した。2.同時に、3層から水洗法により根の採集を行った。また、土壌の3層から土壌分析の土壌を採集した。これらの野外調査のデータを大学に持ち帰り、土壌動物の分類、重量、個体数の計測を行った。また、土壌の細根の重量測定を行った。採集した土壌は、植物防疫の許可の得られた2009年2月に京都大学に輸入した。土壌について、炭素、窒素、無機養分の分析を実行した。以上のようにして、得られた1.土壌動物、2.細根の現存量、3.養分物質の3つのデーターを、解析した結果。この調査地では、土壌動物としてミミズ類が優先していることが明らかとなった。根の量と土壌動物の個体数、現存量の関係を検討した結果、土壌動物の現存量と根の量には、有意な相関関係はみられなかった。2009年2月の調査では、サラブリでの土壌動物の乾燥時期における個体数の調査を実行し、土壌動物は極端に低密度となっていることが明らかとなった。さらに、土壌動物において優先していたミミズ類は、幼体で乾燥時期を過ごすことが明らかにされた。
|