研究概要 |
タイ東北部のサカエラート森林保全区の乾燥常緑林、乾燥落葉樹林、乾燥混交林の3調査地において,雨期の終わりにおける土壌動物群集と細根の調査を実行した。2008年8月に、3調査地において土壌動物をハンドソート法により採集し、標本を持ち帰り重量、個体数の測定を行った。同じ、土壌サンプルについて、細根の現存量を,洗浄-篩法により測定した。 土壌における細根の現存量は、乾燥混交林、乾燥常緑林、乾燥落葉樹林の順に高かった。細かい根の組成は、乾燥混交林では、草本の植物の割合が高く、乾燥落葉樹林では笹類の割合が高かった。乾燥常緑林では、樹木の根が部分を占めていた。これまでの3年間の調査において、3つの森林において乾期(2006年)、雨期(2007年)、今回の雨期の終わり(2008年)の3回の調査での、細根の現存量、組成と土壌動物群集の構造(グループの構成)から、細根の組成は、土壌動物の種類構成に影響していることが明らかとなった。さらに、細根の現存量と土壌動物の個体数には高い相関性が見いだされた。さらに、細根と土壌動物の現存量の間にも相関性が認められた。
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