京都議定書におけるCDM植林事業が成功するかどうかを決める要因の一つに、地域の住民をプロジェクトに主体的に参加させることができるかどうかがある。そこで、下記に挙げる議定書非付属書Iの国において調査を行ない、どのようなプロセスが住民参加に必要かを分析した。 1)タイ 住民参加による森林再生事業を多数手がけているタイ北部のNGOを訪問し、彼らの住民参加型プロジェクトのデザインについて聞き取り調査を行うと共に、実際にプロジェクトサイトに出かけ、住民の意見も合わせて聞いた。 2)インドネシア 集落ベースでの植林事業を調べるため、インドネシア林業省研究開発庁の研究者と共同で、ボゴール県テンジョー地区にあるシオマス村の172名のグループを研究対象として、1)植林事業に参加している程度、2)参加の動機、3)植林事業に対する認識、4)どのような樹種を選択したのか、という4点について調査を行った。 3)パナマ AR-CDMプロジェクトで危惧される重要な点は、植栽後の森林が持続的に管理され消失することがない仕組みを、プロジェクトが現地に根づかせることができるか否かである。そこで、タイ、及びパナマでの事前における結果を参考にしながら、住民をプロジェクトに参加させることにより、その後の持続的な森林管理を可能にする点で、どのような能力を住民が獲得したかを調べるための、評価項目リストを作成した。
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