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2005 年度 実績報告書

フナの遺伝子および行動の解析によるキンギョのルーツ解明

研究課題

研究課題/領域番号 17405035
研究機関広島大学

研究代表者

植松 一眞  広島大学, 大学院・生物圏科学研究所, 教授 (00116542)

研究分担者 細谷 和海  近畿大学, 農学部, 教授 (10330242)
吉田 将之  広島大学, 大学・院生物圏科学研究所, 助教授 (70253119)
海野 徹也  広島大学, 大学・院生物圏科学研究所, 助教授 (70232890)
立原 一憲  琉球大学, 理学部, 助教授 (70264471)
西田 睦  東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
キーワードフナ / キンギョ / 遺伝子 / 系統分類 / シーボルト / 雌性発生 / 三倍体 / 情動性
研究概要

わが国には、ゲンゴロウブナ、ギンブナ、オオキンブナ、キンブナ、ナガブナ、ニゴロブナの6型のフナが存在する。これら日本産のフナに関する従来の研究では、学名の特定や類縁関係を見据えた分類学的研究はまったくなされていなかった。そこでシーボルトが採集した模式標本のあるオランダ・ライデン自然史博物館を訪れ、標本を精査した。すべての模式標本および副模式標本と比較した結果、Carassius cuvieriiはゲンゴロウブナに、C.langsdorfiiはギンブナに、C.grandoculisはニゴロブナにそれぞれ該当することが確かめられた。しかし、キンブナに一致するものはなく、本型は未記載であることが明らかとなった。また、C.buergeriiの等価標本にオオキンブナとナガブナが混在する可能性など、日本産淡水魚の命名にかかわる分類学的な課題を明確にできた。このように、本調査では坦名タイプとの照合によりおおむねラテン名が特定されたが、日本産フナ類がすべて種レベルに分化しているわけではなく、テンミンク博士とシュレーゲル博士が提案した学名はゲンゴロウブナを除き、そのまま独立種として採用することはできない。今後、キンギョのルーツを探るためには、大陸産のフナ類との比較検討によってフナ類の亜種分類を確立することが不可欠である。特にキンギョの直接の先祖と考えられる大陸産のC.auratusと日本産のC.buergeriiの一の類縁関係を探ることが望まれよう。
本出張ではさらにファン・オーエン博士の好意により、欠落鱗のような模式標本の付属物採取が許可され、遺伝分析の準備が整った。これらの成果は、研究分野のみならず本学における自然史教育素材として活用できるものと大いに期待される。
また、日本各地および海外においても、フナを採集し形態形質の測定と遺伝子解析を開始した。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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