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2005 年度 実績報告書

持続的なマグロ養殖業の生産管理制度に関する国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 17405038
研究機関近畿大学

研究代表者

日高 健  近畿大学, 農学部, 助教授 (30309265)

研究分担者 小野 征一郎  近畿大学, 農学部, 教授 (40017075)
山本 尚俊  近畿大学, 水産研究所, COE博士研究員 (00399099)
鳥居 享司  近畿大学, 水産研究所, COE博士研究員
中原 尚知  近畿大学, 水産研究所, COE博士研究員
キーワード養殖 / クロマグロ / ミナミマグロ / 資源管理
研究概要

この研究は、資源管理と環境保全の視点から各国の養殖管理制度を分析し、比較分析することを通して、水産資源を有効に活用し環境への付加の小さい持続的な養殖管理技術を構築するのに必要な制度的要因を抽出することを目的とする。本年度の調査対象国は、世界の主要なマグロ養殖産地であるスペイン、オーストラリアである。
スペインは、クロマグロの養殖生産が最も多い国であり、首都マドリッドには天然クロマグロの漁獲と天然魚を原魚とした養殖に関する国際的な管理を行うICCATの本部事務局も置かれている。本年度調査では、スペイン南部で行われるマグロ養殖業および関連産業の展開状況、天然魚の漁業管理と養殖管理に関わる制度的枠組み、増養殖に関する研究状況について聞取りを行うとともに、統計資料の収集を行った。地中海におけるマグロ養殖は、少数の規模の大きな養殖会社によって行われている。特にスペインのリカルド・フォンテス社の支配力は強く、同国内で関連産業のコングロマリッドを形成するとともに、スペイン以外の各国にも生産拠点を有している。また日本企業との提携関係も強い。地中海におけるマグロ養殖管理の実態や産業構造解明のためには、同社の展開状況を把握することが必要である。また、養殖原魚となる天然魚の漁業管理は、ICCAT、FAOが示す枠組みの下でEUが実施することとなる。現在、養殖用原魚採捕を考慮した新たな漁業管理の枠組みが構築されているところであり、今後注目すべきである。
オーストラリアはミナミマグロの養殖生産国であり、クロマグロを合わせても世界一の生産量を誇っている。同国の養殖生産はサウスオーストラリア州のポートリンカンにおいて、現地資本の漁業会社12社によって行われている。地中海のマグロ養殖とは異なり、州政府と豪政府の厳しい管理が課されていること、試験研究機関とリンクした産業集積が図られていることによって、同地の環境管理は効率的に行われているように思われる。これらの管理の詳細を明らかにする必要がある。ただし、養殖原魚に関しては、国際的な過剰漁獲によってクロマグロ同様に資源水準が低下しつつあり、資源管理と養殖管理(経営)の整合が今後問題となるところである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of status and competitive advantage of tuna aquaculture in Australia2005

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Hidaka, Takashi Torii
    • 雑誌名

      Journal of Rural Problems 41-3

      ページ: 309-317

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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