研究課題/領域番号 |
17405041
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
櫛 泰典 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60177988)
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研究分担者 |
石井 達 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00222935)
浦島 匡 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, 教授 (80185082)
三好 俊三 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50003132)
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キーワード | ゲノム / 糖転移酵素 / 進化 / 畜産学 / 糖鎖 / 家禽類 / 糖鎖遺伝子 / フォルスマン糖脂質 |
研究概要 |
ヒトゲノム構造の解析をきっかけとして生物のゲノムの全構造解析が各分野で競争して行われ、解析結果が明らかになってきている。ゲノム解析は、種の遺伝学を学問的に体系化するためばかりでなく、未利用資源として今後活用するための前段階としても考えられる。一方、複合糖質は主として細胞の表層や細胞間に存在し、細胞膜の主要な構成成分であり、ABO(H)式の血液型のような特異的抗原として働いていたり、細胞認識に関わっていることが知られている。我々は複合糖質の一つであるフォルスマン糖脂質に絞り、マウスのテラトカルシノーマ細胞株やES細胞を用いて発現解析の研究を行っているが。その糖鎖の発現が未分化細胞に特徴的なことから、この糖脂質の発現を合成するcDNAをクローニングすることに成功した。この糖鎖抗原は発現している種としないものが分けられ、この糖鎖と進化との関連性が示唆されている。本研究ではこの糖鎖抗原が発現している種、特に家禽類よりこの糖転移酵素を網羅的にクローニングすることによって、種あるいは類縁種でこの遺伝子がどのように保存されているか、またその進化における移行はどうように行われていたかを解明するために、多くの家禽類が多く生息する国々でのサンプル収集とその後の遺伝学的な解析をすることを目的とする。初年度は試料の収集を目的として、日本の各種の動物園に依頼を行い、収集できる家禽類のDNAあるいはRNAを集め、解析を開始した。 1、子発現の比較解析;(a)持ち帰った試料DNAあるいはRNAより、既知のイヌ・マウス及び家禽類のダチョウ・ニワトリcDNAをプローブにして約4種の家禽類ゲノムのサザン解析を行った。(b)(a)で得られたゲノムDNAを基に、対応する糖転移酵素の全長を把握する。家禽類の中でフォルスマン糖鎖陽性の家禽(ダチョウ・ニワトリ)のホモログを現在解析中である。(c)約20種の主に野生種の家禽類をこの遺伝情報を元に分類し、他の遺伝子情報も合わせて体系化を試みている。 2、複合糖質の構造解析;(a)精製可能な試料(ダチョウ)より有機溶媒抽出、カラムクロマトグラフィーの併用で行う。既知のフォルスマン糖脂質(5糖を有するグロボペンタオシルセラミド)と酸性画分からフォルスマン活性を有する酸性の脂質の精製を行った。MALDITOF/MS及びNMRにより完全構造を決定する。(b)少ないものは脂質画分を確保し、TLCと抗フォルスマン抗体により、免疫反応を行いその反応性と移動度から推定構造を判断する。現在完構造を解析中である。 上の結果を踏まえ、次年度は後半の試料収集や実験方法の進め方についての検討も加え、方法論の確立も合せて行う。
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