研究課題
本研究では、中国の高ラドン地域において肺がんの症例・対照研究を行い、屋内ラドン・トロンばく露と肺がん罹患リスクとの関連を喫煙などの影響を考慮しながら定量的に評価することを目的とする。これにより得られるデータは放射線生物学的にも放射線防護の観点からも重要な意義を持つものと考える。前年度に引き続き、現地研究協力者と共に質問票(中国語版)を用いて面接調査と生体試料(buccal smearおよび血液)の採取を行った。居住環境、喫煙(受動喫煙も含む)・飲酒習慣、呼吸器疾患などの既往歴、がんの家族歴、調理方法および食品の摂取状況、農薬などへの曝露歴や職業歴などを調査しており、さらに女性の対象者には、産婦人科関連の設問も含まれている。Buccal smearと血液などの生体試料は、FTAカードを用いて乾燥試料として採取・保存している。対象者は、陝西省の延安市Yan-an City,甘粛省の慶陽(Qingyang)県の郡病院受診者及び、これらの地域に住む住民であり、これまでに60名の肺がん患者と40名の食道がん患者の同定を行い、面接調査と生体試料の採取を行った。また、100名の住民対照にも面接調査をおこなった。さらに対象となる症例および対照者の家屋のラドン、トロン等の濃度レベルを測定し、居住者の曝露線量評価を行うため、測定器を設置した後、回収した。今回の調査においては、ラドン濃度及びトロン濃度の評価に際して、放医研で開発された積算型ラドン・トロン弁別測定器(名称:ラドポット)を用いている。また、トロン子孫核種濃度測定とラドンのレトロスペクティブ測定も昨年の4月から実施中である。
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