研究課題/領域番号 |
17406003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 美千穂 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (30283592)
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研究分担者 |
本多 義昭 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (00093310)
木内 文之 医薬基盤研究所, 薬用植物資源研究センター, センター長 (60161402)
北山 隆 近畿大学, 農学部, 准教授 (00278730)
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キーワード | 国際研究者交流 / ラオス:ベトナム:タイ / 民間伝承薬 / フィールドワーク / ジンコウ / シナモン / シソ / 薬用資源植物 |
研究概要 |
今年度は3カ年の研究計画の最終年度として、4回の現地調査と国内での実験研究に加え、欧州標本館に赴いての収集標本類の同定作業を行った。具体的な現地調査等のスケジュールは以下の通りであった:中華人民共和国海南島(2007.05.11.-05.14.)、ラオス人民民主共和国(2007.06.12.-2007.06.19.および2008.01.20.-01.29.)、タイ王国(2007.09.01.-09.07.)。欧州の標本館へは、2007.11.27-12.05.に、パリ自然誌博物館(フランス)、キュー王立植物園博物館(イギリス)、ライデン大学植物標本館(オランダ)にて、主にAquilaria属(沈香基原)、Cinnamomum属(桂皮基原)について検索と同定を行った。5月から9月にかけての現地調査では、いずれの国でも沈香に関する情報とサンプルを効率よく収集することができ、さらに、タイでは、研究計画初年度の調査時に行った樹脂化誘導実験サンプルの経過観察をすることもできた。沈香オイルの蒸留場もいくつか見学することができ、蒸留原料の供給が年々激減しており、オイルの質も悪くなっているという現状を聞き取り調査した。年明けからのラオスの調査では、Perilla属の種子(分果)サンプル74検体を収集した。国内では、ジンコウ培養細胞を用いた香気成分生成誘導実験やその際に発現している遺伝子の網羅的解析を試み、障害応答と似た仕組みで香気成分のうちのテルペン類の生合成が開始されるが、クロモン類に関しては異なることを見出した。また、香気成分の吸入投与による薬理活性を追求した研究では、沈香オイルからカラレン、ベンジルアセトン等の活性成分を明らかにした。欧州標本館での標本検索では、桂皮基原学名の問題も明らかになり、沈香基原の分類に関して多くの知見を得た。
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