研究課題/領域番号 |
17406006
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研究機関 | 女子栄養大学 |
研究代表者 |
香川 靖雄 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (30048962)
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研究分担者 |
小松 文夫 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (10014250)
佐久間 充 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (90010066)
金子 嘉徳 女子栄養大学, 栄養学部, 助教授 (20204571)
川端 輝江 女子栄養大学, 栄養学部, 助教授 (80190932)
工藤 秀樹 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (90114751)
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キーワード | モンゴル / 酸化ストレス度 / 抗酸化能 / 野菜食 / d-ROMテスト / SOD活性 / 握力 / 老化 |
研究概要 |
目的:活性酸素は動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、ガンなどを引き起こし早期老化にも関係するといわれる。モンゴル国は人口260万、平均寿命が男性62歳、女性69歳で日本人の寿命とは大きな差がある。寿命の短さは周産期死亡、肝炎、感染症の他に食生活も関係すると思われる。とくにこの国では野菜食が少ない。野菜食が欠乏すれば抗酸化能が減退し、生活習慣病や寿命に影響する。そこでこの国の住民の血中酸化ストレス度と抗酸化能を測定し、併せて日本人の抗老化対策に資することとした。方法:2005年7月モンゴル国北西部のフブスグル県ムルン市で調査を行った。対象者164人に対し食生活、身体計測、健康度をチェックし、栄養に関する血液検査を実施し、d-ROMテストによる血中酸化ストレス度とSOD活性から抗酸化能を判定した。結果:ムルン市民は外見的に栄養不足を思わせるものはいなかったが野菜や果物はほとんど摂らず、肉食、乳製品、脂肪食が主であった。ROM値は429.7±95.2Carr U、日本人対象者は353.3±59.8Carr U(n=220)で、ムルン市民は高値を示し(p<0.001)、酸化ストレス度が高かった。40-50代で体重、体脂肪率、BMIが急に増し、握力低下、血中トリグリセライド上昇を見、この年齢で老化が急に進むと考えられた。ビタミンAとEは日本人と差はなく、ビタミンCが低く、MDA-LDLと尿中8-OHdGは高く、SOD活性はばらつきが多かった。考察:ROMの高値は経口避妊薬、喫煙、飲酒、激しい労働の他に野菜食の少なさが原因と思われた。次回ムルン市民に対しバランスのよい食生活の大切さを訴えることにする。日本人の場合酸化ストレス度は現在それほど高くはないが生活習慣病が増えており、食生活と抗酸化能から抗老化対策を検討したい。
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