研究課題/領域番号 |
17406013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 大分大学 (2006-2007) 長崎大学 (2005) |
研究代表者 |
アハメド カムルディン 大分大学, 総合科学研究支援センター, 准教授 (00398140)
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研究分担者 |
西園 晃 大分大学, 医学部, 教授 (70218155)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | ロタウイルス / 疫学 / 血清型 / 遺伝子再集合 / トルコ |
研究概要 |
今回進行中のプロジェクトにおいて、私はトルコで流行しているロタウイルス性胃腸炎の疫学において、この国では先進国と発展途上国、両方の要素が含まれていることを見出した。トルコでは、2004年から2005年には血清型Glが主流で、またこの時期に初めてG9も確認された。新種のG9系統ロタウイルスは、これまでにもトルコのロタウイルスの中で検出されている。2005年から2007年にかけてもトルコでは依然と.してG1が主流であったが、G9に代わってG2が発生してきている。 ロタウイルスAグループ感染以外による正確な疫学は、トルコでは知られていない。今回、グループCロタウイルスの有病率が0.4%しかないことを確認した。VP7、VP6、NSP4遺伝子のヌクレオチド配列を特定し、トルコのCロタウイルスは、動物ではなくヒト由来のウイルスであることを証明した。 さらに我々はG9ロタウイルスによる腸重積症を発症した患者を経験したが、外科的処置を有することなく自然回復した。これにより、ロタウイルスは腸重積症を発症する可能性があることを確認した。 ヒトのロタウイルス感染時のウイルス血症については、未だ解明されていない点が多い。血液中にロタウイルスが存在すれば超遠心で沈殿すると仮定して、血清中のロタウイルス抗原陽性5人の患者から採取した血清サンプルを超遠心分離機にかけ観察を行ったが、得られた沈殿物中には、ウイルスは検出されなかった。また、感染中にウイルス血症を呈していれば生理活性物質やシグナル伝達物質の変化があると仮定し、血清中ロタウイルス抗原陽性と血清中ロタウイルス抗原陰性、この二つのグループ間で血清中のサイトカイン量とケモカイン量を測定し比較したが、有意性のある違いは見られなかった。これらの結果から、ロタウイルスによる胃腸炎発症時にはウイルス血症は発症しないものと思われる。現在我々は、この研究結果を確証するため血清中抗原レベルと血清ウイルスRNA量を比較している。
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