研究概要 |
本研究は、リウマチ性疾患の遺伝要因の共通性と差違を東アジアで検討する事からこれらの疾患の遺伝背景、病因を解明する事と、サンプル資料の収集を目的とする研究であり、平成14年度基盤研究Bの継続研究と位置付けられる。本年度は、1)韓国、台湾、タイの共同研究者と協議し、第一次対象疾患(RA,SSc,Behcet(BD),Werner,(SLE))、サンプル、対象遺伝要因、対象自己抗体、共通臨床カードについて各国の状況に則して改変した。2)自己抗体としてCARFも検討する事とし、測定法の指導を行なった。3)サンプルや分析結果に関する研究者間の合意文書を作成した。4)開設したネットワーク上のダミーデーターベースを、各国からの意見を得てさらに改良していく事とした。5)各国でもサンプル収集、データー収集が行なわれ、台湾、タイでは患者検体の1/3-4が収集された。日本では正常人100、RA100、BD50の収集を完了し、6)正常人のHLA-DR, HLA-BタイピングやCTLA-4分析はほぼ完了し、RA、BDも進行中である。CTLA-4とRAの相関の既報の結果は一致していないが、今回の検討では、有意な相関は見つかっていない。TNFについても検討中であり、RAではDRB1^*0405を持つ群でTNF^*2がそれと独立して有意に増加していた。TNFa11,b4はDRB1^*0405と連鎖して僅かに増加していた。TLR4遺伝子については正常人の分析を一部のSNPで終了した。7)EHプログラムをモデルで検討しその問題点を明らかにした。その改良を試みるとともに、共同利用分析システムを開発中である。8)台湾とは、CTLA-4、TNF、HLA-DRについての分析で協力し、45サンプルの検討を完了した。タイについても、同様の分析で協力し、70サンプルについてその検討を開始した。
|