研究概要 |
本研究は、リウマチ性疾患の遺伝要因の共通性と差違を東アジアで検討する事からこれらの疾患の遺伝背景、病因を解明する事と、サンプル資料の収集を目的とする研究である。本年度は、1)韓国、台湾、タイの海外研究者と協議し、予備検討で興味ある知見が得られているRA, Behcet(BD)及びWernerを第一次対象疾患とし、個別にSSc, SLEを対象疾患にする事とした。またサンプリング、対象遺伝要因、対象自己抗体、共通臨床カードについて各国の状況に則して改変を重ねた。2)日本オリギナルの自己抗体であるCARFの測定法指導を行ない、台湾では従来法との、韓国では抗CCP抗体との比較検討中である。3)ネットワーク上のダミーデーターベースを、エクセルと統合できるように改良した。各国からの意見を得て更に改良していく事とした。4)EM他3つのハプロタイプ推定プログラムを比較評価し、独自のプログラムを作成した。共同分析システムも来年度を目指して開発中である。5)各国でサンプル収集、データー収集が行なわれ、タイでは患者検体の3/4が収集され,正常人の収集が完了した。5)日本人では正常人のHLA-DR, HLA-B, CTLA-4, CD14, TNF分析は完了し、BDも進行中である。CTLA-4とRAの間に有意な相関はなかった。TNFについては、RAではTNF^*2がDRB1^*0405群で有意に増加し、抗TNF療法のresponderとして白人で報告されているTNFa11が増加している事をAPLARで報告した。TLR4遺伝子の検討では正常人でSNPが認められない。6)台湾とは、CTLA-4、HLA-DR, CD14, TLR4についての分析で協力し、SLE, SScを含む計65サンプルの検討の完了中である。タイについても、同様の分析で協力し、SLE, SScを含む250サンプルについて検討中である。
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