研究課題/領域番号 |
17406027
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
永井 教之 岡山大学, 名誉教授 (90085770)
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研究分担者 |
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
MEHMET Gunduz 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70333507)
玉村 亮 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00403494)
河原 研二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50076113)
瀬津 弘順 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90116468)
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍 / 頭頸部癌 / 歯原性腫瘍 / 口腔癌 / 遺伝子変異 / 調査解析 / アジア多民族 |
研究概要 |
実験では硫化したGaAs基板にパラジウム原子を載せた系で周東・有澤(北大薬学)、塚本(阿南高専)らによってヘック触媒反応が報告されているので、まずその系に絞って第一原理計算を行った。2×2のスーパーセルでの第一原理計算により、硫黄原子とパラジウム原子のそれぞれの安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。さらに、硫黄原子とパラジウム原子がそれぞれ1個ずつ共吸着した場合での両原子の安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。また、それぞれの場合の電子状態の違いを調べた。 計算の結果判明したことは、硫黄原子を先に吸着させても、後から吸着したパラジウム原子の安定吸着位置の方が硫黄原子より内側となることと、硫黄原子との共吸着の場合の方がかなりパラジウム原子の吸着エネルギーが強くなることである。つまり、硫黄原子の役割はパラジウム原子を強く表面上に結合させることであると言える。このことは、実験において硫化していないGaAs基板上にパラジウム原子を載せた場合に触媒活性は示すものの数回の実験で触媒活性が失われてしまうのに対し、硫化させたGaAs基板にパラジウム原子を吸着させた場合は100回程度実験を繰り返しても触媒活性の劣化があまり起きないという事実を説明する計算結果であると言える。 このことから、硫黄以外の原子を代用させてパラジウム原子を固定させることも可能であることも結論づけられた。 また、GaN(0001)基板についてもパラジウム原子と硫黄原子の吸着位置を明らかにした。本企画はアジア民族(中国人、日本人を含む)の口腔癌、頭頸部癌、口腔悪性黒色腫、歯原性腫瘍の遺伝子解析と分子病理学的解析を行い、手術後の再生医療基盤の国際共同研究を実施する為の調査とアジアネットワークの構築を目的としている。 本年度は最終年度として、腫瘍バンクを設置し、報告書を作成する為、2008年7月、代表者は大連医大、中国医大(藩陽)へ出張し、各大学の担当者と最終打ち合わせを行うと共に、同年7月、大連医大より3名の教授(海外協力者)を招へいし、打ち合わせを行った。 研究代表者が創設主導した、岡山大学-中国東北部大学院連携プログラム(O-NECUS)による短期留学生(12名)のうち、大連医大の1名の院生が本研究のため派遣され、プロトコルを完成していくことになった。 一方、研究成果のグローバルな情報発信については、永井代表者が編集長であるJournal of Hard Tissue Biology (英文年3回、電子ジャーナル併用)がvo1.17(1)、2008年より、歯科医学分野で初めてScience Citation Index Expanded (Thomson Scientific)に採用され、東アジアからの情報発信ネットを構築することになった。又、代表者は全中国口腔科学研究者が参加する中国実用口腔科雑誌Chinese Journal of Practical Stomatology(編集長・主幹、路振富教授、発行部数1000)の国際編集委員となり、日中の科学技術成果発展交流のネットワークを構築することになった。 本年は4年間の研究成果、調査をとりまとめると共に、研究代表者が指導した8名の国費留学生(院生)が研修を修了し、Journal of Hard Tissue Biologyの編集委員となり全世界の研究室で更にネットワークを発展させる副次的な成果も得られた。
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